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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!

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第六話 日々精進です。

 
前書き
 今回は割と短いです。まぁ、近況報告というやつなのです。 

 
帝国暦478年9月15日――。

帝都オーディン 軍幼年学校
■ ラインハルト・フォン・ミューゼル
 幼年学校に入校して1年と少しが過ぎた。授業内容はつまらないが、武器、重火器の取り扱い、操艦、ワープ航法の理論、戦術論、武術論など、俺の将来の糧になるだろう基礎知識はしっかりと聞いておく。要は応用だ。基礎知識さえしっかりと習得しておけば、それを活かすも殺すも自分次第だ。俺はそれをイルーナ姉上やアレーナ姉上から嫌というほど教わっていた。二人ははっきりとは言わなかったけれど、二人の教え方を聞いていてそう感じた。
 我慢はしろとは言われているが、どうしてもいやな奴に対しては俺は躊躇しない。特に貴族出身の奴らが平民を痛めつけているのを見ると、上級生だろうが我慢できない。そして当然姉上の悪口を言うやつらもだ。キルヒアイスと俺でもう何人のしただろう。
最初は貴族共になすがままにされている平民の子弟を見るといらっとしたものだったが、そのうちに考えを変えた。もともと幼年学校も貴族の子弟が中心で、数もずっと多い。平民は肩が狭い環境なのだ。これも帝国の腐った体制の性なのだと。こいつらは悪くはない。姉上を、そしてこいつらを助けられるのは俺たちしかいないんだ。

■ ジークフリード・キルヒアイス
 アンネローゼ様に言われたことを思いださない日はない。あれ以来僕はラインハルト、いや、ラインハルト様の背中をしっかりと守ることに徹している。ラインハルト様は正義感が強すぎて、上級生を何人ものしてしまった。僕もだ。だが、それを後悔はしていない。もうなすがままにされている日々を送ることはできない。あれ以来。だけれど、あまり目立ちすぎてしまうことは逆効果だ。ラインハルト様もそれはよくわかっていると見えて、ほどほどのところでやめたり、静かにしたりしている。
遠くつらい道のりになるだろうけれど、僕はラインハルト様と運命を共にしたことを後悔していない。アンネローゼ様を助け、そして虐げられている人たちを開放するのだから。


 帝国暦478年9月20日 ヴァンクラフト邸 私室 
■ イルーナ・フォン・ヴァンクラフト
 今日は久方ぶりの休暇で実家に戻ってきた。私が女子士官学校に入りたいと言った時の
両親の驚愕ぶりは今でも目に焼き付いているわ。でも、これがラインハルトの覇道を助ける第一歩。今のままでは私は軍属になれない。アレーナのコネクションを動員したって、何の実績も持たない女子がいきなり艦隊指揮官になれるわけがないわ。
 だから、私は両親の反対を押し切って士官学校に入りました。そこで嬉しいことにフィオーナとティアナに出会ったの。二人とも考えは同じだったようね。少しずつ味方が増えてきたわ。もしラインハルト麾下の提督たちが一部欠けたりしても、私たちがそれを補える立場に立てるよう、頑張らなくては。

 アレーナは士官学校に敢えて入らずに、政界、財界、そして宮中や貴族に対しての監視をするために、フリーランスとして動いてもらうことになっているのだけれど、彼女はノイエ・サンスーシに行くことが決まってしまった。一応二人で話し合って、今後の展開やそれに対する手は検討済みだけれど、本当に一人で大丈夫なのかしら?不安を漏らしたら、だいじょうぶと言い切っていたけれど。


帝都女性士官学校 共同居室 
■ フィオーナ・フォン・エリーセル
 今回はラッキーだったわ。ティアナと同じ部屋になったどころか、教官・・・じゃなかった、イルーナ主席聖将・・・あ、違った!ややこしいわね。いいわ、教官って呼ぼう。うん、教官も一緒の学校だったのだから。これもあのおじいさまのなさったことなのかな。
 転生した私の家は、貧しい貴族の家柄だったの。エリーセルって私の前世で最初にさずかった子爵の称号なんだけれど、今回生まれた「エリーセル」家には爵位はなかったの。ライヒスリッターっていう帝国騎士の家柄だったわ。

 前世の私は、孤児で身寄りがなかったから、両親がいるだけありがたいと思いました。お二人ともとても優しくて素敵なご両親よ。ここに来てからもしょっちゅう手紙のやり取りはしているわ。

 女性士官学校ができたって聞いたとき、「あ、これは絶対教官たちのなさったことなのかな。」って直感したの。だからそこに入れば何かしら道は開けると思ったわ。だってこのままでは私はどこかにお嫁に行くか、自分で自活するかどちらかしかないわけだもの。とてもラインハルトの手助けをする環境にはたどり着けないもの。
 両親は本当は私を大学に上げたかったらしいけれど、でも、お金がすごくかかることを心配して諦めていたわ。だから私は士官学校に進みたいって言いました。最初はとても反対されたけれど、最後には認めてもらえたから良かったわ。卒業して最初のお給料が入ったら、絶対何かお父様お母様にプレゼントしようって思ってます。前世だと両親に何もしてあげられなかったから、せめてこの世界では親孝行したいな。

■ ティアナ・フォン・ローメルド
 士官学校に入校できたわ。そしてラッキーなことにフィオと同室よ。そしてイルーナ教官にも出会えた。あ、同じ生徒なのにうっかり教官って言わないように気を付けなくちゃ。これ、口癖だから今更どうにもできないのよね。フィオと同じで。それにしてもこれ、前世の騎士士官学校時代を思い出すわね。あれ以来だけれど、懐かしくてとても新鮮。いいわね、こういうのって!学生時代やり直せるなんてとてもうれしいわ。あ、もちろん目的はしっかり覚えているわよ。
 私の生まれた「ローメルド」家は一応伯爵の分家だったのだけれど、投機に失敗して没落、
私のお父様は平民のお母様と結婚したということもあって、本家から見捨てられて、お父様
は自殺、お母様は私を伴って、実家に帰ったわ。本家からは「断絶ダぁッ!!出ていけェ!!
二度とローメルドの名前を名乗るなァ!!」なんて言われたけれど、お断りよ。だって前世
と同じ家名なんだもの。こっちの方がしっくりくるんだもの。おじいさまとお母様に話した
ら、二人とも笑って許してくれたわ。精一杯の抵抗と意地を貫くってやつね。
 さてと、イルーナ教官とフィオと3人で話したところだと、やっぱり女子士官学校はイルーナ教官とアレーナさんの指図で出来たみたい。そこから女性登用の道を開いて、最終的には私たちも提督としてラインハルトの麾下に加わるってことね。うん、いいんじゃないの。私たちだって一応前世で一個師団を指揮して戦ったもの。規模は全然違うけれど。
 そうときまれば、ここで頑張って成績優秀で卒業して実地部隊に配属されるように頑張るわよ!!


グリンメルスハウゼン子爵邸 
■ アレーナ・フォン・ランディール
 今日もグリンメルスハウゼン子爵のところにお邪魔していろんな話を聞いているところよ。いや、それにしてもこの爺様の情報量のすごい事、情報網のすごい事。昼行燈なんて言われているけれど、どうしてどうしてなかなかの食わせ物よ。
 それにしても良かったわ。私の両親がリベラルなおかげで、御稽古ごとなんかにはそれほど時間を割かれなくてすんでいるから。でも、それもおしまい。今年の冬から行儀見習いの名目、そしてご学友として私もノイエ・サンスーシに行くことになっちゃったの。あ~それだけはいやだったのに!!
散々駄々をこねたけれど、さすがに両親もこればっかりはとすまなそうだった。なんでも皇帝陛下直々のご指名のようだからね。チェッ!!私としては噂のカロリーネ皇女殿下にはまだ会いたくなかったんだけれどな。
 ま、なまじ敵の懐に飛び込むわけだから、これ、最大限利用しなくちゃね。カロリーネ皇女殿下が私を右腕に、なんていうことがないように祈りたいけれど、まぁ、そうなったらなったで打つ手はイルーナと話しているから大丈夫だけれどね。
 さぁてと、宮中生活はとても窮屈だろうから、今のうちにのんびり遊んでおきますか。
 
 

 
後書き
 ノイエ・サンスーシに上がるには、VIPのコネと力と顔と、それからもろもろのものが必要になります。さすがは帝国総本山!! 
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