暁 〜小説投稿サイト〜
少年は魔人になるようです
第89話 誰もが謎を深めて行くようです
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Side 明日菜

「あー見えた見えた!近くで見るとすっごい大きいわね!」

「いやぁホントありがとねイルカさん!」

「せやからイルカちゃうっちゅーねん!嬢ちゃんら一応お尋ねモンやねんから顔出さんで静かにしといてや。

いくらお祭りで警戒緩い言うても、警備は多いんやで。」

「「はぁ〜い。」」


オスティアに向かう少し前、偶然ちょこっとだけ非合法な取引をしてたイルカ・・・もとい水獣族の

おじさんに頼んで便乗させて貰って、島まで運んでもらったってわけ。

って言うか・・・さっきから頭の中でする声がひどくなって頭痛いんだけど、なんなのこれ?


「さぁついたでお嬢ちゃんら!今年の祭りは二十周年ちゅー事でお尋ねモンもゴロツキもいつもより

集まるやろから、調子に乗って怪我せぇへんようにな!路地裏とか気ぃ付けるんやで!」

「はーい!ありがとうねー!おじさんも気を付けて商売してねぇー!」

「でかい声で言うなや!全くじゃじゃ馬やなぁ。じゃあな!」


私達を置いて、イルカのおじさんはどっかに飛んで行った。さて、やぁーっとここまで来たわね!

アルビレオさんに言われて来たは良いけど、どこに行けばいいか分からないのよねぇ。

取り敢えずコロッセオに行けばネギと小太郎君は居るわよね―――


―――アスナ!こっちだよ。なにしてんだ、早くしろよ!
―――ゆっくり歩かせてやれよ・・・出て来たばっかの女の子にさぁ。

「へっ!?」


今までよりはっきりした声が聞こえて、そっちを見たら―――


「シュウマ………ナ、ギ…?」


見慣れない格好のシュウマと・・・写真で見たままの、ナギがいた。

ってあたし、なんで愁磨さんとネギのお父さんを素で呼び捨てにしてるんだろ・・・!?

あ、行っちゃう・・・!


「ま、待ってナギ!!シュウマ!!」
ザッ!
「え……明日……菜、さん?…………明日菜さん!!」


二人を追って階段を上って開けた場所に出たら・・・今度は、ネギが居た。

Side out


Side 愁磨

「お、わ、っ、っっっっったぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜…………。」

「・・・おつかれさま、パパ。めるも、おつかれさま。」

「ありがとうございます、アリア。ふー……予想よりは余裕がありましたね、シュウマさん。

あとは周期を待つだけですね。」

「そこが一番問題なんだがな……。」


周期――つまりこの世界とツェラメルに尤も魔力が満ちる時だ――まで、一ヵ月強。

双方の術式と"回収定義"を完成させた。面倒にも時期を待たなきゃならんのは、魔力が足りないせいだ。

術式発動と成立後同時に別次元に転移・惑
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