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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第5話 「レヴィはアホな子?」
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襲われた。反射的にレヴィがどこかに行ってしまう、と思った俺は視線を彼女がいた方へと向ける。

「ばあっ!」
「――っ!?」
「にっしっし! ショウが驚いた。シュテるんはショウは反応が薄いって言ってたし、ショウを驚かせたボクはきっと凄いぞ」

 今日出会ったばかりの人間に今みたいなことができるレヴィの方が凄いだろう。もしやっていた相手がバニングスだったならば怒声を浴びせられているだろうが。

「驚かせないでくれ。心臓に悪い」
「あはは、ごめんごめん。何か難しい顔してたから」
「え……あ、あぁごめん。ちょっと考え事してた」
「考え事? ……あっ! どんなお菓子を作ろうかってことだね!」
「お菓子のことは考えてない」

 というか、暗い顔をしていたのにお菓子のことを考えていると思ったのはどういう経緯の思考があったのだろうか。レヴィの思考は読めない。

「え……作ってくれるって言ったのに」
「いやいや、作ること自体を忘れたわけじゃないから。別のことを考えただけで」
「そっか、ならいいんだ。それでいつ作ってくれるの?」
「あのさ……俺達、今初詣に向かってくるよな? それが終わった後だって考えたら分かるよね?」
「おお! じゃあさっさと行って帰ろう!」

 言うや否やレヴィは俺の手を握って走り始める。突然のことに制止をかけることもできず、俺は走ることを余儀なくされた。
 体勢が崩れたまま走らされていることもあって止まることができない。シュテルが先ほど言っていた言葉の意味を痛感する。
 フェイトと変わらない身体のどこに子供とはいえ同じくらいの体格の人間を引っ張る馬力があるんだ。線が細いって言われるが、一応昔から鍛えてるんだぞ。

「こらレヴィ、待たんか!」
「不覚です。ディアーチェに言われて手を放してしまったばかりに」
「我が悪いのか!? って、貴様とじゃれ合ってる場合ではない!」
「おや? よほどショウのことが心配なようですね」
「なっ――何を馬鹿なことを言っておる! 心配なのはレヴィに決まっておるだろうが!」
「レ、レーネさん、どうしましょう?」
「ん、まあいいんじゃないかな。ショウも一緒だし……レヴィは本当に元気だね」

 みんなとの距離はどんどん離れて行き、初詣に行こうとしている人達が多かったこともあってすぐに見えなくなってしまった。
 ――ディアーチェとユーリはどうにかしようとしてくれていたが、シュテルとレーネさんは俺にレヴィを押し付けたんじゃないのだろうか。
 薄情と思われるふたりに色々と思っている内に、いつの間にかお参りに来ていた人達の後ろに並んでいた。後ろにも並び始めているため、さすがのレヴィも身動きが取れなくなりつつある。

「凄い人だね。初詣って大規模なイベントだったんだ」

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