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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
剣使の帝篇
17.天使の帰還
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なってこれだけはどうも馴れることが出来ない。
「で、いつまで着いてくるんだ、お前は?」
「ボクは彩斗君の監視役だからね。それにお前じゃなくてボクには、逢崎友妃って名前があるんだよ」
自転車を押す彩斗の後ろから黒色のギターケースを背負った黒髪の少女がピッタリとついてくるのだ。
流石に少女が一緒にいるのに彩斗だけ自転車に乗って先に行くなどという行動は気が引けた。後ろに乗っけるという選択肢もあったがまだあまり知らない少女を後ろに乗せられるほど彩斗は善人にはなれなかった。
適当に彼女の家が近づいたら別れればいいだろう。
「やっぱりあの話はホントなんだな」
「あの話って?」
「お前──」
友妃が彩斗を鋭い目つきで睨みつける。
「……じゃなくて逢崎さんが俺の監視役ってのはホントなのかと思いましてね」
「本当に決まってるじゃん」
友妃は当たり前のことを言うように言い放った。
「あと逢崎さんじゃなくて友妃って呼んでよ」
無邪気な笑顔で少女はこちらに微笑みかける。
「で、逢崎。俺についてきてるけどいいのか?」
ふくれっ面をした友妃は、再び無邪気な笑顔に戻る。
「ボクなら大丈夫だよ」
ボクなら大丈夫、この意味を彩斗は真に理解していなかった。
この意味を彩斗はわずか三十分後に知ることになるのだった。
「なるほど……」
彩斗は呆れたように言葉を洩らした。
アイランド・サウスこと、住宅が集まる絃神島南地区。九階建てマンションの七階の七〇三号室に彩斗は住んでいる。その隣の七〇四号室には、“第四真祖”の暁古城と暁凪沙の二人が、七〇五号室には、獅子王機関“剣巫”の姫柊雪菜が住んでいる。
これだけでも“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”、“第四真祖”、“剣巫”の三人が同じ階に揃ってる時点ジョーカー三枚で《ストレートフラッシュ》を起こしているようなものなのにここにさらに一枚カードが加わることになった。
それもとびっきり強力なのがだ。
七〇二号室。彩斗の隣の部屋にいた住人が昨日どこかに引っ越していった。
唐突なことだったが、すぐにその部屋には新たな住人が引っ越してきた。
もう察しの言い方はわかるであろう。
七〇二号室の新たなる住人は、彩斗の監視役、獅子王機関の“剣帝”こと逢崎友妃だ。
獅子王機関、吸血鬼、吸血鬼、獅子王機関。
もう役が一枚足りないとか関係なしに《ロイヤルストレートフラッシュ》だろこれは……
「ということでこれからボクが朝起こしてあげるから遅れないように学校に行けるね」
そう言って彼女は満面の笑みを浮かべて、七〇二号室の扉の中へと消えていった。
『一難去ってまた一難』というこ
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