暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
剣使の帝篇
17.天使の帰還
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女が一つ屋根の下で暮らすっていうのは問題があるだろ」

「お前の家はマンションなのだろう。それなら剣巫の娘や暁古城の妹とも一つ屋根の下で暮らしていることになるなら問題などないだろ」

 屁理屈を言う那月に彩斗は半分呆れている。

「第一、夏音は俺と二人暮らしなんかしていいのかよ」

 夏音の方を向き、訊く。

「え、あ……はい。私は大丈夫でした」

 頬を赤らめた夏音が俯く。

(いいのかよー。いや、いやメチャクチャ嬉しいんだけども、だって皆さんの憧れの中等部の聖女と一つ屋根の下を超えて同じ部屋で住めるなんて誰もが憧れるだろ。こんなチャンスもう二度と訪れないよ。えー、どうするどうするどうするよ)

 心の中で葛藤し続ける彩斗。

「で、どうする緒河彩斗? 叶瀬と一緒に住むのか? 住まないのか?」

 彩斗は精一杯心臓の鼓動を抑えて、一度咳払いをする。
 そして可能な限り冷静を装って答えた。

「しゃ、シャあねぇか!」

 あまりに意識しすぎて逆に裏返った。
 赤くなる顔を無理やりにでも抑え込みながら、もう一度咳払いして続ける。

「那月ちゃんには、礼があるからな。夏音を引き受けるよ」

「そうか。嬉しそうだな」

 那月は不敵な笑みを浮かべる。

「う、嬉しそうになんかしてねぇよ!」




 こうして緒河彩斗と叶瀬夏音は二人暮らしをすることになったわけだ。
 波朧院フェスタが真近に迫った二つの災難だ。
 だが、“神意の暁(オリスブラッド)”と“第四真祖”に襲う災難は、この程度で収まるほどのものではなかった。
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