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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百十七話 憂鬱な人々
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料を貰う、にも拘らず任官しない。養成課程で生じた費用は全て無駄になってしまうため甘い汁を吸い義務を果たさず恩を仇で返す詐欺的行為として著しい不名誉とされています。民間で就職しようとしても任官拒否に正当な理由がなければ拒否される事が多いでしょう。特に軍、政府と関係の深い企業、公共機関はその傾向が強いと言われています。

弟が憂鬱になる気持ちも分からないではありません。私は今年二十五歳ですが大佐に昇進します。戦時とはいえ非常に若い大佐でしょう。今後平時になれば昇進はかなり遅くなります。おそらく任官後一年で中尉に昇進する万歳昇進も無くなるかもしれません。弟が二十五歳の時の階級は多分中尉か大尉のはずです。少佐になるのは三十歳を超えてからでしょう。

自分が少佐にもなれないのに目の前には二十台の大佐が居る、さらに上を見れば二十台の大将までいる。納得が行かないだろうなと思います。武勲を上げたのだから昇進は当然と思いますが弟達には武勲を上げるチャンスが無いのです。不公平感は当然出ると思います。

ヴァレンシュタイン提督は主戦派を叩き潰しました。和平を結ぶのも難しくは無いでしょう。ですが和平が根付くまでにはまだまだ問題が多いですし時間がかかりそうです……。




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