Episode２３：アホの娘
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「エリカ！」
少し背伸びして手を振って彼女の名前を呼ぶと、当の鮮やかなオレンジの髪を持つ美少女は、少し驚いたような顔をして隼人へ駆け寄った。
「隼人くん、どうしたの？」
「いや、たまたまここら辺をブラついてたらエリカを見つけたからさ、声をかけてみたんだ」
なんの気もなしに言った隼人の言葉に、エリカの目が光った(と隼人は錯覚した)。
ニンマリとした笑みを浮かべ、スッと近づいてくるエリカ。この姿に、思わずあの赤毛の幼馴染の姿が重なり、隼人の表情が引き攣る。
「ほうほう、優しい優しい隼人クンは暇を持て余している美少女に好意でなにか奢ってくれるというわけね！」
「え？いや、誰もそんなこと…」
「え？なんて？」
「いえ、なんでもないっす」
彼女はエイミィ並の強敵だ、隼人はそう思って溜息をつくのだった。
「じゃあ、そこのカフェにでも行こうか。仕方ないから奢ってあげるよ」
「やた！隼人クン太っ腹〜」
「まったく…」
エリカの現金な反応に再び溜息をついて、隼人は財布の中身を確認することになったのだった。
「ん〜、美味しい」
「そりゃよかったね」
ショートケーキを一口食べて満面の笑みを浮かべるエリカ、それを見て、俺は紅茶で喉を潤した。
「そういえば、隼人くんはこんなとこでなにしてたの？私が言うのもなんだけど、ここら辺はあまり面白いものなんてないわよ？」
「あー、うん。近くにある知り合いの家に遊びに行ってたんだよ。それで、今はその帰りの途中」
なるほどね、と頷いて指の間に挟んだフォークをクルリと回すエリカ。
「エリカって、手綺麗だよね」
「そうかな？あたしって剣やってるから意外と手とかには気を使ってるのよね」
そういえばそうか、エリカはあの『剣の魔法師』の千葉家の娘。剣を使うのは当たり前か。それに、剣を振るうのに大事な手のケアをするのも当然だ。
「なるほどねー、うん。俺が見た中でエリカの手が一番綺麗だよ」
「そ、そう？ありがとう…」
少し照れたように、頬を赤く染めて手を摩るエリカ。ちょっと変なこと言っちゃったかなと思ったけれど、不快に思われてないならよかった。
「…そういえば、エリカはこんな所に何の用事があったの？」
「え？あ、ああうん。ちょっとしたヤボ用でね…」
これは、あまり深く詮索しないほうがいいかな？
深く踏み込み過ぎて関係がややこしくなるのは勘弁したいしね。
「ふぅん…っと、じゃあ俺はここで失礼するよ。お金はここに置いとくからさ」
「あ、うん。ご馳走様でした」
「どういたしまして」
金額分をテーブルの上に置いて、俺はポケ
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