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少女1人>リリカルマジカル
第四十九話 思春期B
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「少年A……お前、焼けたな」
「夏休みの間、飼育小屋の掃除とか色々していたからね。その所為かな」

 長い夏休みが終わり、ついに登校日となった。夏祭りの時にみんなと一度会っていたが、こうして改めて会うと、今までの違いに気づくことがある。

 俺は仕事で忙しかったため、なかなか友人たちと遊ぶ時間が取れなかったから余計にだ。もっとも他のやつらもそれぞれ用事が入っていることが多かったから、クラ校友人勢が全員そろったのは、本当に久しぶりだったりする。

「アルヴィンはあんまり焼けていないよな。俺も建物の中にいることが多かったから、アレックスほど焼けていないけど」
「へぇー、少年Cもあんまり外に出なかったのか。意外だな」
「俺だって色々調べ物があったからな。海に行って水着美人の姿をシャッターに収める機会は多少減ったが、それに負けないぐらいの収穫が手に入ったんだぜ!」
「……少年B、ツッコミの出番」
「なんで久しぶりの全員集合20秒で、早々ツッコミが必要な事態になるんだ」

 サムズアップするランディこと少年Cと、もう諦め通り越して悟りの道を開きそうなティオールこと少年B。ちなみにリトスこと少年Eは、2日後に再開される給食の献立表を見に行っている。こいつらぶれねぇな。


「ごきげんよう、アルヴィンたちは相変わらず元気みたいだね」

 蜂蜜色の柔らかな髪と、色々呆れの入った色を宿した緑の瞳を持つ少女。俺を含め、男子連中は身長が伸びた以外は身体的な変化はあまりない。だけど妹含め、女子連中は現在第2次性徴期の真っ最中である。思春期の心身の変化って結構すごいよな。

 まぁなんだ、地球の一般常識では、この時期は性別とかそういうのを気にし出す時期らしい。だけど11歳という年齢ながら、俺たちのクラスは基本男女混合。男や女で各自集まることはあるが、性別の境界線は正直未だに曖昧なのだ。そのため、メリニスのように男グループの会話の中に遠慮なく入っていけるし、男連中も女子グループの会話の中に入っていける。いつも一緒にいるメンバー以外は、さすがに気後れすることはあるけど。

 あと、女子連中がなまじ男よりも強いのだ。クイントとかメガーヌとか。地球とは違い、ミッドでは女性が最前線に立って戦闘する場面なんてよくあること。女性は守るものという考え方は間違っていないが、それ以上に非戦闘員は守るものという考え方の方が強い。どこの戦闘民族だ。

 非戦闘員には、当然男も女も両方いる。逆に言えば、戦闘ができる人だって一緒。そのため、性差などの配慮はあれど、ミッドチルダは基本男女平等な社会なのだ。白馬の王子様という言葉と一緒に、白馬のお姫様なんて言葉もあったりする世界である。

 ミッドチルダの結婚年齢が早い理由の1つが、この社会の仕組みらしい。
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