第165話 美しき音色は鋭い刃
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を眺める事しか出来ない、哀れで愚かな人間なのよ・・・」
静かに風が吹き、『謎の少女』の青い髪をなびかせた。
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『妖精の尻尾専用医務室』
ポ「ほら、終わったよ。」
バトルパートで死者の仮面のリノに敗れたウェンディは、ここでポーリュシカに手当てをしてもらい、それが今終わったところだ。
ウェ「ありがとうございます。」
ウェンディはペコッと頭を下げると、ぴょんっとベッドから下りた。幸い、軽症で済んだ。
ポ「全く。戦うのは好き勝手だが、手当てをするこっちの身にもなってくれ。」
ショ「ス、スミマセン・・・」
ウェ「ゴメンナサイ・・・」
ポーリュシカは吐き捨てるように言った。ついさっき『浮上板』で重傷を負ったショールの手当てをして用意しておいた傷薬が無くなった為街に買いに行ったのだ。傷薬を買って医務室に戻ると、傷だらけのウェンディと付き添いに来たシャルルとトーヤがベッドに座っていたのだ。呆れてしまうのも仕方が無い。
ポ「あんたは明日まで出場は出来ないが、ウェンディは軽症だから待機場所に戻っても大丈夫だよ。」
ト「本当ですかっ!?」
ポ「嘘を言ったって何の得もしないよ。」
シャ「よかったわね、ウェンディ。」
ウェ「うん!」
ウェンディは嬉しそうに頷いた。一方、
ショ「良かったなウェンディ。あ〜あ、俺も早く出場したいぜ。」
『浮上板』からずっとベッドに寝たきり状態のショールは退屈そうに呟いた。ショールの怪我も徐々に回復していた。すると、ショールは何かを思い出したのか、「あ。」と小さく呟くと、
ショ「ウェンディ、死者の仮面の奴と戦った時、何か言われなかったか?」
ベッドから身を乗り出してウェンディに問う。ウェンディは少し驚いた表情をした後、
ウェ「ショ、ショールさんも、ですか・・・?」
ショ「あぁ。」
2人の額には冷や汗が滲み、焦りの表情が浮かんでいた。
シャ「ねぇ、2人して何なのよ。」
ト「ウェンディさんもショールさんも、死者の仮面の人達に何を言われたんですか?」
シャルルとトーヤが不思議そうな顔をしてウェンディとショールに問い掛ける。横で聞いていたポーリュシカも声には出さないが、視線をウェンディとショールに向けていた。ウェンディは言おうか言わないか躊躇したが、目が合ったショールが小さく頷いたのを
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