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こんなチートでもありですかい?そうですかい。
第34話。変人とシキ。
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「吸血鬼には等しき死を!」

そのうち第七聖典すら持ち出しそうな雰囲気である。

「アルー!落ち着くんや!今血を吸おうとしてもシエルさんが危ないわ!いろんな意味で!!」
「失礼な!」

事実やないか!

「う・・ぅう晋吾。大丈夫?」

ボロボロの状態で俺の心配をするアル。やばいなんか泣ける。

「アル!」
「行かせません!」

俺の前に立ちふさがるシエル。

「どくんやシエル。他人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて地獄に落ちるんやで?」
「どきません。第一、真祖との恋愛なんて認めません。たとえ主が認めても」

睨み合う二人。だんだんアルに対する仕打ちに怒りを抱いてきた晋吾。

「晋吾・・ごめんね。ごめんね。晋吾・・・・晋吾。晋吾・・・・怖いよぉ晋吾ぉ」

頭の中でナニカが切れた音が聞こえた。

「速い!?ぐっ」

シエルの後ろに周りこみ、手刀を打ち込み気絶させる。

「アル!もう心配ないぞ!」
「晋吾ぉ。晋吾ぉ」

泣きそうなアル。いや、もう泣いているのか。

「ダメなの。もう我慢できないの。」
「我慢せんでええ。いっぱい我慢したろ?もう楽になり」
「でも、でも、血をのんだらどうなるの?今まで通りに一緒にいられるの?またデートに行けるの?」
「ああ。行けるとも。いられるとも」

アルは、あぁあ、あぁああ、と感嘆をあげ、首筋に近づいてくる。

カリィ

恐らく、絶妙な手加減。肉をちぎることなく、ただ、皮を切り、血を出す。

その行為にアルの愛を感じた。

痛みなく済ませてあげたい。

そんなアルの愛情が、奇跡を産み、魔力硬化を薄皮一枚で破り一滴の血を流す。

そして・・・・

「ゴクリ」

喉をうるわす。舌で舐めとり、喉をうるわす。

「あぁ、あぁああ。真祖が使徒の血を・・・・」
「あぁあ、あぁあああ。晋吾が、晋吾が入ってくる・・・・」

嘆きの声を上げるシエル。晋吾の血の味に溺れるアルクェイド。

「晋吾・・晋吾・・・・」

そして真祖の姫は愛しき人の名を呼びながら、眠りについた。
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