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路地裏の魔法少年
第1部 笑え!運命!
第1部その1:凹んでなんか居られないんじゃね?
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てしまった高町なのはを除いて、異性と何ら関わり合いの無い友人の口から女の子の、しかも『乳』の話題が出て来るなど誰が想像出来ようか。
 余りにも突飛で常軌を逸した(ように思われる)友人の発言に啓太の心中は「3倍速で再生された阿波踊りを踊るよう強要された人」のように混沌とする事を余儀なくされたのである。

 「誰かーッ!保険係(メディック)呼んでくれぇ!槍一が、槍一がヤヴァイんだ!!」
 「日野君がどうかしたの?」
 「おお来たか保険係(メディック)、コイツの頭がおかしくなっちまった急いで病院連れてってくれ黄色い救急車で大至急マッハで、マッハイエローアンビュランスプリーズ!!」
 「はぁ?(っていうかメディックって何?)一体何があったの?っていうか落ち着いて五十鈴君」
 「もももれはもちついてるっての!はははハニワみたいにもちついてるよ」

 「「「嘘つけェ!!」」」

 3年1組は今日も朝から騒がしかった。


 ◇◆◇

 それから暫く時間が経った頃。
 授業中の事である。

 ≪……つー事があったんだけどよぉ、まさかあのボーズがあぁなるとは私も思わなかったぞ≫
 槍一のポケットに収まったアイアン・ウィルは「やれやれ」と言わんばかりの態度でもって啓太に念話でそう語っていた。

 (……なるほど、それで槍一のヤツはあんな風になっている訳だな)
 黒板に書かれた文字をノートに書き写す作業をしながら啓太は念話でそう答えた。
 マルチタスクの習得をほぼ完了していた彼にとって、その作業は造作の無い事である。
 尤も、学業成績のみは県のトップランカーとして君臨している彼はノートを取る必要も無いのだが……。

 (槍一らしいと言えばらしいが…)

 ≪だが、どーすんだ?ボーズは暫く嬢ちゃんのパイオツをモォミモミのしちまった罪悪感から抜け切れそうに無いぞ?≫

 (大丈夫さ、3歩くらい歩かせれば忘れるだろう多分)

 ≪鳥頭だかんなぁコイツ≫

 (そんな事より、昨日の戦闘データって記録してあるんだろ?スティールスピリッ
トに転送してくれないか?)

 ≪そりゃ良いけどよぉ、そんなん使って何すんだぁ?≫

 (今後の参考にね、俺もその子と戦う事になるかも知れないし、それに対人戦闘のデータはここだと貴重だろ?)

 ≪そらそうだ、魔導師と言やぁ奴さんとお前達くらいしか居ねぇからなぁ……待ってろ、すぐ送る≫


 アイアン・ウィルはそう言い終えると啓太のデバイスであるスティールスピリットに向けてデータファイルの送信を開始した。

 彼等の持っているデバイスは素性も出所も不明ではあるが、アイアン・ウィルとスティールスピリットが「セット運用を想定して設計された」事は分かっており、その為デー
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