暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六八幕 「初めての師匠は意外と初心でした」
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兄はいつからこっちに?」
「5分くらい前にそろそろ行くって言い出したから、もっと前からこの状況になることは感づいてたんじゃないかな?」
「ご迷惑をおかけしてすいません・・・」
「いいよいいよ、僕も暇だったし」

シャル、君は天使だ。日常的にあの阿呆兄と友達をしているなん聖人君子でも難しいだろうに、と失礼大爆発なことを考える。まぁそのシャルもこの前は暴走していたが。やはり完璧な人間などいないのだろうとユウは一人納得する。

「君は、自分磨きのためにユウに弟子入りしたい。しかしユウはまだまだ修業中の身・・・本人が言う様に人にものを教えられるほどの腕前ではない」
「そこをなんとか!お願いします!」
「・・・ふむ。ならばこうしよう。俺達兄弟は朝早くから体力作りや組手に取り組んでいる。それに参加してみたらどうだ?」
「朝練ですか?」
「うむ。ラウラや鈴音も参加しているからそれなりにハードだが、人数が多い分仲間内で切磋琢磨し合える。悪くないだろう?最近は佐藤の奴も顔を見せるしな」
(・・・しまった!?その手があったじゃないかぁぁぁーーーー!!)

ユウは自分がどれだけ詰め寄られて焦っていたかを思い知った。確かに朝練ならば弟子入りとまではいかずともある程度指示を与えて誘導することは出来る。その辺りで手を打てばよかったのに、自分は何をあそこまで悩んでいたんだ。落ち込んでいると横のシャルにくすくすと笑われてさらに落ち込んだ。
煩悩退散失敗。身も心も精進が足りない。

(一夏が羨ましい・・・!どんなに女の子に近寄られても平気な顔してるあいつが羨ましい・・・!!)

それがいい事かどうかは別として、だが。
ユウはまだ知らない、これが終わりではなく始まりだということを。この日を境に癒子はユウの弟子というポジションを狙って幾度となくユウに接触してくることを。そしてそんな癒子のほんのちょっぴり恋心の混じった接近によって自身の人間関係がさらに混迷することを・・・

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