暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六八幕 「初めての師匠は意外と初心でした」
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子はユウが恥ずかしがっていることを承知の上で無慈悲にも近づいていた。そう、これも作戦の内だったのだ。ユウが闘いの場以外では割とシャイであることを知った上で落とそうとしている辺り、結構外道である。
いくらなんでも実力行使で排除する訳にはいかないが、かといって弟子入りを受け入れるのも抵抗がある。クラスの女の子を弟子にとって教え込むって色んな意味でハードルが高い。こんな時だけはあの鬱陶しい兄の助力も借りたくな―――


「待てぇい!!」

「「!?」」


デェーン・・・デェーン・・・デェーン・・・デェーン・・・


何処からか流れてくる物憂げなギターの音と共に、2人のいた自販機前の休憩スペース・・・その自販機の上に人が現れた。この明るい環境なのだから顔くらい見えそうなものだが、不思議なことに何故か逆光で見えない。リアクションに困っているとその人影が無駄によく通る声で口を開く。

パラパラパパパラパラパパパラリラパ〜♪

―――草原を渡る風は自分がどこで生まれたかは知らん


パラパラパパパラパラパパパラリラパ〜♪

―――だが風は誰にも束縛されず支配されない


パパパラリララ〜・・・

―――人、それを「自由」という!


「誰だ貴様はー!?」
「ええ!?ツッコまずに乗るの!?」
「貴様に名乗る名は無いッ!!」
「そっちもノリノリかいッ!!」

謎のラッパとギターが鳴り終わると同時にその人影は自販機から飛び降り、その姿を現した。

「闇ある所、光あり・・・(ユウ)ある所、(オレ)あり!天空の使者、夏黄櫨(なつはぜ)参上!!」

ドォーーーーン!!

「・・・ってやっぱりジョウさんじゃないですか!」
「あ、ボクもいるよ〜」

自販機の後ろから骨董品レベルのカセットレコーダーを持ったシャルまで現れた。あれでさっきの無駄に渋いBGMを流していたのか・・・なんという無駄な演出を用意しているんだか。逆光で顔が見えなかったのは夏黄櫨の展開による光だったようだ。世界一無駄なISの使い方をしている兄に頭を抱える一方、ようやく癒子の注意がそれて「自由」を手に入れたユウはほっと息を突く。

「ちなみに前口上を考えたのは簪ちゃんで曲のセレクトは一夏ね?」
「意外に協力者多いですね!?」
「さて・・・谷本癒子!本題に入ろうではないか・・・」
「あっ、はい」

既に無駄に展開していた夏黄櫨を量子化させたジョウがソファに座って圧迫面接さながらに癒子を()め付けている。緊張した面持ちながら目は逸らさない彼女は偉いと思う。それにしてもこの先どう云った展開なのか全く読めないな、とユウは固唾をのんで二人の様子を見守る。

「ところで
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