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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第13話:奥へ奥へと・・・
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悪い、遅くなった。 それで状況は?」

ヒルベルトがすまなそうな表情を浮かべながら訊くと、
ゲオルグが首を横に振りながら口を開く。

「いえ、当初の予定ではB分隊が敷地内に侵入したらA分隊が後を追うという
 作戦計画でしたけど、変わってしまいましたからね。仕方ないですよ。
 それで状況ですけど、見ての通り今のところ待機中です。
 A分隊との合流を待っていたのもありますけど、ミュンツァー隊長に
 上の再偵察をお願いしているのでその結果を待って作戦を続行します」

「そうか。 で、計画は?」

「変更なしでいこうと思います。 A分隊に地下と1階の抑えをしっかりと
 固めてもらったうえで、僕たちB分隊が上階への突入とエメロードの
 身柄確保を行おうと思いますが、どうでしょう?」
 
「それでいいと思う。 事前の訓練もそのつもりで積んできたわけだし、
 あいつらもそのほうが安心してことに当たることができるだろ」

ヒルベルトは、A分隊とB分隊の分隊員たちが集まっている方を
顎でしゃくるようにして言う。
ゲオルグたちが自分の言葉に頷くのを確認して、ヒルベルトは言葉をつなぐ。

「なら、A分隊は周囲警戒と1階各所の探索に入る。
 重点的に抑えるのは・・・予定していた4箇所から変えなくていいな?」

ヒルベルトの言う予定の地点とは、工場の正面出入口・地下への階段・
裏手にある荷物搬入口・廃棄物搬出口の4箇所で、
作戦計画立案時に選定されたものだ。


ヒルベルトの問いかけに、ゲオルグは一瞬考えてから首を縦に振る。

「変える必要はないと思いますよ。 ただ、撤退せざるを得ない状況を考える
 必要性が計画時よりも高くなっているので、退路の確保を最優先にお願いします」
 
「判った。 なら裏手と廃棄物搬出口の人員を割いて正面に回すことにする」

「お願いします」

ゲオルグとヒルベルトは互いに頷き合うと、それぞれの分隊のもとへと歩く。
ひとかたまりになって待機していたB分隊の面々は、歩いてくるゲオルグたち
3人の姿を見ると立ち上がる。

彼らのそばまで来て足を止めたゲオルグは分隊員たちの顔を順番に見る。
全員の顔を見終わったゲオルグは、咳払いをして話し始める。

「楽にしてください。 ヒルベルトさんとの協議の結果、我々B分隊が
 当初の予定通り上層階への突入を担当することになりました。
 訓練通り、迅速な作戦遂行を目指しましょう。 いいですね?」

「はいっ!!」

ゲオルグの訓示に分隊員たちは精悍な顔で頷きながら返事をする。

「では、ミュンツァー隊長からの偵察情報が入り次第作成を続行します。
 それまで待機しててください」
 
そう結んでゲオルグは後ろを振り
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