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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第4話:ハイジャック事件−4
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ハイジャック事件の翌日、朝6時。
ゲオルグは自宅の寝室にあるベッドの上で目を覚ました。

「んぅ・・・っ!」

まどろみから覚醒に至る途上で、意味をなさない声をあげる。
視点のはっきりしない目でぼんやりと天井を眺めながら
何度かまばたきすると、目の焦点が合ってくる。

ベッドサイドの時計に目をやり、起床する時間が来ていることを確認すると、
隣で寝ているなのはに目を向ける。
小さく寝息を立てるなのはにそっと口付けを落とし、ゲオルグはベッドを下りた。

寝室を出て階段を下りると真っ直ぐバスルームの方に向かう。
洗面所で顔を洗い、ひげを剃り、髪を整えると、次に向かうのはキッチンである。
平日の朝食を作るのがゲオルグの役割だからだ。

ゲオルグがキッチンで朝食の準備を進めていると、6時半ごろに
ヴィヴィオとティグアンが起き出してくる。

「おはよ、パパ」

「おとーさん、おはよー」

「おはよう。 朝ごはんはもうすぐできるから、2人とも顔を洗っておいで」

「はーい」

2人が洗面所へ向かってからしばらくして、ゲオルグが朝食の盛り付けを
終えようとしたころ、なのはが現れる。
彼女は既に身支度を終えていて、化粧もバッチリである。

「おはよ、ゲオルグくん」

「おはよう」

ゲオルグが挨拶を返すと、なのはがゲオルグにすり寄っていく。
そして2人は唇を合わせた。
1分ほどの長いキスのあと、2人は名残惜しげに唇を離す。

「手伝うよ」

「じゃあ、これを運んでくれ」

ゲオルグはサラダボウルを指差す。

「うん」

なのはは頷くと、サラダボウルを持ってダイニングテーブルへと歩いて行く。
ゲオルグも卵やベーコンの乗った皿を持ってそれに続いた。
テーブルの上に敷かれた4枚のランチョンマットそれぞれの上に皿が置かれた時、
ヴィヴィオとティグアンが洗面所から戻ってくる。

「2人とも座って。 朝ごはんにしよう」

「はーいっ!」

ダイニングテーブルにシュミット一家全員が揃って座る。

「いただきます!」





朝食後、最初に出かけるのはゲオルグである。
制服に着替えたゲオルグは家族に見送られて家を出ると、
車庫のスポーツカーに乗り込み、隊舎に向かって走らせ始める。
朝の渋滞が始まりつつあるクラナガン外周の環状道路を走り、
ゲオルグを乗せた車は港湾地区へと向かう。

普段通り8時前に隊舎に到着したゲオルグは正面玄関から隊舎に入り、
部隊長室に向かって足早に歩く。
ちらほらとすれ違う隊員たちと挨拶を交わしながら歩き、
部隊長室に入ったゲオルグは自分の椅子の背に制服の上着を掛けると、
引き出しのカギを開けて端末とカップを取り出す
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