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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第4話:ハイジャック事件−4
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備司令室に呼ばれていた。
彼女がドアをノックすると中から"どうぞ"という声が聞こえる。
彼女はそっとドアを開けて司令室の中へと足を踏み入れ、ウォルフ2佐の前に立つ。

「司令、何か御用でしょうか」

「ああ。 ひとつ君に伝えておくことがあってね」

ウォルフは自分の椅子に腰かけたまま、エリーゼの顔を見上げる。

「先ほど、本局テロ対策室のハラオウン少将から連絡があったんだが、
 君を特殊陸戦部隊の新しい分隊長の候補にしたそうだ」

ウォルフの言葉を聞き、エリーゼは驚きで目を見開いた。

「私がですか!?」

大声をあげるエリーゼをウォルフは落ちついた表情で見上げる。

「そんなに驚くことか? Aランクの魔導師で指揮官としての能力も高い。
 俺が特殊陸戦部隊の隊長でもお前さんを選ぶがね」

「はぁ・・・」

何かが腑に落ちないのか、エリーゼは言葉を濁す。

(わたしがあんなとこに行って役に立つのかしら・・・)

エリーゼは目を閉じて復帰してからこれまでの自分の道のりを思い返す。

(でも、わたしだって必死で頑張ってきたんだもん。 やれる・・・よね?)

そしてエリーゼは目を開けてウォルフの顔を見た。

「やります。 やらせてください!」

エリーゼの言葉を聞いたウォルフは満足げな笑みを浮かべて頷いた。

「そう言ってくれると思ったよ。 お前さんが居なくなるのは
 俺としてはイタいんだが、お前さんのキャリアにとってはチャンスだからな。
 採用されるようにしっかり頑張ってこい!」

送り出すように景気のいい口調で言い切ったウォルフであったが、
その最後の言葉がエリーゼには引っかかった。

「採用されるように・・・って、どういうことですか?」

「ん?言わなかったか? 能力を確認するために演習をやるって。
 その結果如何によって採用するかどうか決めるそうだ」

ウォルフの言葉を聞いたエリーゼは両手の拳を握り、俯き加減で笑う。

(そういうこと・・・。ゲオルグ、見てなさいよ!!)

エリーゼは弟の設定した採用試験とも言える舞台に闘志を燃やし始めた。


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