第4話:ハイジャック事件−4
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端末のスイッチを入れてからカップを持って部屋を出ると、
近くの給湯室に向かう。
給湯室のコーヒーメーカーでコーヒーを淹れると部屋へと戻る。
自席に座り既に立ち上がっている端末にログインすると、
メールソフトを開いて夜の間に来たメールを確認し始める。
(まずは昨日の事件絡みのヤツから処理だな)
ゲオルグは、メールリストの題名をざっと流し読みしながら、
湯気をあげるコーヒーをすする。
(ん? クロノさんからのメール?)
昨夜届いていたクロノからのメールを開く。
(なになに・・・執務官は明日の朝9時にそちらにつくように行かせる・・・ね。
あと30分か。 了解・・・っと)
クロノへの返信を終えたところで、部屋の中にブザーが鳴る。
見るとチンクが部屋の前に立っていた。
ゲオルグが机の上にあるパネルを操作してドアを開けると、
部屋の中にチンクが入ってくる。
「おはよう、チンク」
「ああ」
ゲオルグは微笑を浮かべてチンクを招き入れるが、
チンクの方は仏頂面でそれに応じる。
ゲオルグの机の前に立ったチンクは右手に持っていた紙の束を机の上に置く。
「昨日の戦闘詳報だ。私とクリーグの分もある」
「今読むよ。座って待っててくれ」
ゲオルグは部屋の中央にあるソファセットを指差す。
「わかった」
チンクは仏頂面のまま頷くとソファにドカッと腰を下ろす。
「朝飯は?」
「家で食べてきた」
「何か欲しけりゃ適当に取って食え」
「判っている」
ゲオルグが部屋の隅にあるキャビネットを指差しながら言うと、
チンクは座ったばかりのソファから立ち上がってキャビネットの中を漁る。
「・・・相変わらずジャンクなモノが揃ってるな」
「それがいいんじゃねえか。 家じゃこんなもん食えないからな」
ゲオルグは机の上にあるチョコレート菓子の袋を振る。
「不満なのか? 贅沢な奴だ」
チンクはキャビネットから取り出したスナック菓子の袋を開けながら
ゲオルグに向かって呆れたような声をあげる。
「不満はないさ。 実際なのはの作ってくれるものの方がはるかに美味い。
ただな・・・」
そこでゲオルグは一旦言葉を切ると、チンクの持ってきた戦闘詳報を一枚めくる。
「こういうジャンキーなものもたまには食べたくなるんだよ」
「やはり贅沢ではないか」
そう言いながらチンクは袋の中のスナック菓子をポリポリとかじる。
「まあ、判らんではないが・・・太るぞ」
「だからこそときどきお前らの基礎訓練にお邪魔させてもらってるんだろ」
ゲオルグはそう言って手の中の書類を机の上にパサリと置いた。
「戦闘詳報はこれ
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