暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
常盤台中学襲撃事件
Trick39_13組!? お前ら異常(アブノーマル)か!?
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宗像は煙の中へと突っ込んでいった。

「落ち着け! 映像を熱感知(サーモグラフィ)に切り替えろ!」

宗像が手榴弾と騙して投げた煙幕は、敵の駆動鎧(パワードスーツ)のいる
廊下と教室を全く見えない状況にした。

敵は素人ではない。

すぐに対応して宗像を待ち構えた。

「残念だが見える見えないは関係ない。結果は全て同じだ」

静かに宗像は宣言する。宗像も煙幕の中では全く見えていない。

だが彼は裏の世界にいた人間。

微妙に感じる煙の動き、風の流れから誰かどこにいるかはだいたい把握できていた。

A・T(エア・トレック)を始めて半年程度で、“王”レベルの実力を手に入れた
宗像にとっては当然のことであった。

そして、だいたいの把握を完全な認知に変えたのは、他でもない敵のおかげだった。

「いいか! ゴム弾だからガキ共への流れ弾も気にせずに撃て! 殺す気でだ!!」

 殺気

裏の世界で戦っていれば、殺気の感知ぐらいはできるようになる。

しかも宗像は殺気に関しては裏の世界でもかなりの上位にいる。

自分から出し隠すことも、相手の殺気を感知することも能力が高い。

相手は殺気を隠す技術もないようで、どこにいるかも何時攻撃するかも簡単に分かった。

「人質への流れ弾も考慮しないなんて先輩たちは頭も悪い人達なんだね。だから殺す」

A・Tを着けた宗像に、機敏な動きができない駆動鎧が追いつけるはずがなかった。

まず一人目、教室から廊下に出ている男の上に跳んで視界から外れる。
熱感知は視界が悪いので、気付かれることはない。

背後へと静かに着地し、背中の機械をA・Tの刃で破壊する。

破壊したのは駆動鎧の制御装置。

「な、なんだ? カメラが?」

当然ながら、カメラ映像と熱感知の操作はここで行われていた。

それによって中にいる男は急に見えなくなったことを疑問に思い、

「大人しくしてもらうよ」

駆動鎧の外部装甲から外に出ていたケーブルを切られて、完全に機能を停止した。

「動かなくなった!? どうなってんだ!!」

「さて、次は、あいつにするか」

2人目はすぐ隣の教室にいる男を選んだ。

敵の配置は、各教室に2人ずつ。

今は宗像の登場で廊下に何人かが出ているが、基本的にはこの陣形だ。

教室は、当たり前のことだが隣の教室と廊下から壁で区切られている。
だから教室の中に行けば、敵が援護しづらくなるのだ。

逆に出入り口を防がれれば袋のねずみになり、絶体絶命になるリスクはあるが
宗像はそんなヘマはしない。敵が教室に来る前に終わらせて廊下に出るからだ。


煙の中、≪ガッチャ!≫という金属の音が聞こえた。
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