暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
英雄達の戦歌
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ならばどうするか。

それは、《圧縮》するのだ。この馬鹿でかいエネルギーをもっと圧縮すれば、必ずもっと大きな威力が出るに違いない。

───もっと………。もっと、ずっと深く。

ならば────

カッとカグラの両目が見開かれた。

自然と口が動き、脳裏に出現した言葉の羅列を刻む。

「《人は塵に、塵は灰に。全てを、灰塵と化せ》ッッ!!」

次いでウィルが感じたのは、熱でも、音でもなかった。

衝撃

体中を金属バットでタコ殴りにされたような衝撃が、ウィルのアバターを襲った。視界が堪らずに揺れ、平衡感覚が早速おかしくなってくる。

その中で、カグラの声だけははっきりと聞こえる。

「冬を越せ、《冬桜(とうおう)》」

揺れる視界の向こうで、ウィルは不思議とはっきりと見た。

あれほど空中を焦がさんばかりに渦巻いていた烈火の炎が、跡形もなく消えている。そしてその中心で、正眼に構えたカグラの大太刀の鏡のようなその表面が焦げたように黒くなっていた。

しかし、それだけではない。

まるでその中から何かが産まれてくるように、その黒い刀身の内側からは赤き光が漏れ出している。

やがて薄皮が剥けるように、ペリ、ペリ、と黒い表面が剥がれ落ちていく。

その中から現れたのは太陽が刀の形を取ったような、赤を通り越して純白に光り輝く刀身。

見ているだけで眼が潰れそうだ。

呆気に取られるウィルの目の前で、カグラは静かに

「《繚炎火乱(りょうえんからん)》」

言った。
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