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駄目親父としっかり娘の珍道中
第26話 親は子を叱れてこそ一人前
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 東の空には茜色に輝く太陽が昇り始めている。今まで薄暗かった空を太陽の光が照らし始めているのだ。
 そんな早朝とも呼べる時刻。坂田銀時は一人、海岸近くにあるベンチに腰掛けていた。
 大層大欠伸をしながら。

「眠ぃ……」

 一言そう漏らした後、再び大欠伸を放った。これで何度目の欠伸だろうか。
 本来なら寝ている筈の時間帯にこうして起きて、しかも外に出てくるなんて滅多にない。
 故に余り起き慣れていないのだ。無論、普段ならこんな事する筈がない。
 やれと言われても御免被る。だが、今回はそうしなければならない理由があるのだ。

「まさか、アイツの指定してきた時間がこんな時間とはなぁ」

 そう、銀時は今、人を待っていたのだ。無論、それは彼にとって恋人でもなければ親友でもない。これから戦う敵を待っていたのだ。
 その敵が指定してきた時間がこの時間だったのである。

【銀さん、聞こえますか?】
「あぁ、感度良好。聞こえてるよ」

 銀時の左腕には腕時計の形をした通信端末が取り付けられていた。
 其処から聞こえてきたのはオペレーターの声だ。
 確かエイミィとか言っていた。

【念の為に私達は外でバックアップに回ります。もしもの場合―――】
「わぁってる。最悪取られたとしても奴の居所を掴めりゃそれで良いって話だろ? もう何度も聞かされたから頭に叩き込まれてるよ」

 面倒くさそうに応対する。本当に面倒くさいのだろう。心境が顔に出やすいとはこの事のようである。

【銀さん、本当に大丈夫ですか?】

 通信の声が代わった。少年の声だ。
 声色からして誰なのかは即座に銀時には分かった。

「心配すんなよ新八。銀さんは例え弱体化してもそう簡単にくたばりゃしねぇよ」
【そいつぁ残念だ。いっその事そのフェイトって女にぶっ殺されてくれりゃ俺も嬉しいんだがな】

 また別の声が響いた。その声の主もまた銀時は知っていた。
 その声を聞いた途端、銀時の眉がひくつく。

「あぁ、俺としてもてめぇと二度と会わないと思うとその方が良いと思い始めたよ。だけどなぁ、俺はまだやりたい事が山ほどあるんでそうそうくたばれないんだよ。残念だったなぁ、このニコチンマヨラー中毒が!」
【誰が中毒じゃ! せめてマヨネーズ愛好家とかマヨネーズの妖精とかそう言いやがれ!】
「おめぇの何処が妖精なんだよ! どっちかって言うと悪霊だろうが! その辺漂ってるうざったい悪霊だよ。さっさと成仏しろコノヤロー」
【てめぇを成仏させたろうかこの腐れ天パー】

 通信端末越しにいきなり銀時と土方の口論が勃発し始めた。この二人はもしかして化学物質で出来ているのだろうか?
 そう思い始める次第でもある。

【銀ちゃん。私の代わりにあの変態女を
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