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アイーダ
第三幕その一
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 その言葉には一旦顔を背ける。
「そのようなことは」
「隠さなくてよい」
 しかし彼は一旦はそれを許した。一瞬父としての顔も混ざった。
「わかる。しかしだ」
「わかっています」
 アイーダは父から顔を背け俯いて述べる。その整った眉が険しく歪んでいる。
「それは。ですが」
「止められぬのか」
「はい」
 父の言葉にこくりと頷く。アモナスロはまた娘に対して述べる。
「ファラオの娘じゃ」
 今度はこう言うのだ。
「ファラオの娘が御前の恋敵じゃ。わかっておるな」
「わかっています。けれど」
「倒せ」
 アモナスロは強い言葉で述べてきた。
「あの娘を。それは可能なのだぞ」
「無理です」
 しかしアイーダはそれを否定する。
「そんなことは」
「いや、できる」
 しかしアモナスロはそれを否定する娘にまた述べた。
「できるのだ。祖国と愛を両方取り戻すことができる」
「まさか」
 その言葉に驚き父に顔を向ける。目を大きく見開いていた。
「そんなことが」
「父を信じるのだ」
 アモナスロはそう娘に告げる。

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