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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―三年生、開始―
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 なんだかんだでパニックになっている俺と明日香を尻目に、ワニは俺たちへと迫って来ていて、もはや逃げることも適わない距離に接近されていた。

「明日香っ!」

「Hey.カレン! Wait a minute!」

 せめて明日香だけでも護らなくてはならない、と前に出た俺の行動と共にそんな声が響き渡り、ワニがその場に止まった。

 声がした方向を見ると、カウボーイのような服装とテンガロンハットを目深に配り、その左目は包帯によって隠されているという……どう見ても、このアカデミアの関係者ではない人物が立っていた。
カレンと呼ばれたワニはその人物の元へ歩いていくと、そのままカウボーイ男に背負われて静かになった……どうやらあのワニは、カウボーイ男のペットらしい。

「sorry.君たち。ケガはないか? niceな池だったからカレンを離してしまったが」

 その流暢な英語を混ぜながら話す独特な言葉は、そいつがどう考えても日本人でないことを再実感させ、なおさらカウボーイ男が不審者に見えてしょうがなくなってしまう。

「あ、ああ。それは大丈夫だが……お前は?」

「これは何度もsorry.俺はsouth校から来た留学生、ジム・クロコダイル・クックだ、よろしく!」

 不審者とも疑っている俺の言葉を知らない訳でもあるまいに、何ともカウボーイ男――ジム・クロコダイル・クックというらしいが――は、ノリノリで自己紹介をしてくれた。

「……留学生? 聞いてるか、明日香」

 留学生というのが本当であれば不審者ではないのだが、どうも自分には噂には疎いところがあるもので、後ろの明日香に聞いてみるものの、明日香も難しい顔をしていた。

「……留学生……いえ、聞いてないわね」

「何てこった! まさかsurpriseだったのか!」

 確かに鮫島校長先生であれば、始業式でサプライズ発表というのは有りそうな話であるし……何より、このカウボーイ男が不審者とは思えない。

「ところでyouはオベリスク・ブルーか……どうだ、俺とデュエルしないか?」

 そう言ってジムはデュエルディスクを構えると、デュエルをする準備を完了し、後は俺がデュエルを了承するだけという状態となる。
デュエルディスクは念のために形態してはいるが、もう少しで始業式が始まってしまう時間でもある。

「いや、もう少しで始業式が……」

「Don't worry.それまでにfinishだ」

 その言葉を受け取ると無意識にデュエルディスクを構え、俺もジムと同じようにデュエルの準備を完了させた。
どうやら自信はあるようだが、そこまで言われてしまっては受けなければ、デュエリストとしてのプライドに関わる。

「you.名前は?」

「黒崎遊矢だ
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