§48 永すぎた乱戦に結末を
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りは何ら見られない。
「恵那さん!?」
意識があると思わなかったのか、甘粕は目を見開く。
「ふむ。こう本人は言っていますがジュワユーズ様、如何いたしましょうか?」
驚いたのは一瞬、馨は即座に状況を整理しつつジュワユーズへ伺いを立てる。
「何を馬鹿な事を。小娘、貴様程度が介入できる戦いではない。今行われている戦闘は次元が違う。お前如き一瞬で散り、足手まといにすらなりはしない」
容赦なく当たってくるジュワユーズ。言っていることは正論で。呪力を込めた瞳で睨むからか、眼光が物理的な圧力を放っているとすら感じるほどだ。
「でも、それはジュワユーズも一緒だよね。神具の化身程度では生きられないんじゃない?」
強気な恵那のその言葉に、時が止まる。剣の化身は帯電を始め、馨の顔が強張る。甘粕の顔には大粒の汗がダラダラと流れる。彼女の言わんとすることは一つ。満身創痍な恵那も、聖剣の化身たるジュワユーズも、等しく雑魚にすぎないと。ここから先では足手まといに変わりはないと。
「貴様、我を愚弄するか」
「事実でしょ」
ジュワユーズの言葉をアッサリと受け流し、恵那は持論を展開する。
「もちろん、そのくらいあなたもわかってるよね。それでも行くのは、れーとさんがマズいからなんじゃないの?」
「……」
沈黙する化身。これでは答えを与えているようなものだ。どうやら交渉能力は低いようだな、などと馨は傍観しつつも相手の分析を忘れない。
「れーとさんがマズいなら、戦力は多い方が良いんじゃない? 最悪、恵那でも殿の囮くらいは出来るよ」
「主が、それを許す筈が無い」
否定する口調だが、ジュワユーズの中では揺れている。そう感じ取った恵那は最後に一言、ダメ押しをする。
「確かに、恵那は弱いよ。今回も足手まといにしかなってないし。でも、足手まといにはならない程度に戦えることを今度は証明させてよ。恵那も役に立ちたいな」
打算も何もない恵那の言葉、更に迷う化身にかけられた最後の一声は、上空からかけられた。
「良いんじゃないですか? ジュワユーズ、連れて行っておあげなさい」
「エルちゃん!?」
音も無く着地すると同時に彼女の手に持つ札が燃え落ちる。落下を操作する札、といったところだろうか。微かに感じるのは須佐之男命と黎斗の呪力の残滓。
「エル!? 貴様、この忙しい時に何処をほっつき歩いていた!? 雑魚は雑魚らしく引き籠ってろ!!」
「恵那さん、ボロんちょですねぇ。えっと……」
怒声をどこ吹く風で受け流し、エルは袖をごそごそ、と漁る。微妙な空気の中で取り出すのは一枚の呪符。
「……ハイポーション(仮)? 何このふざけた名
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