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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第1話:ゲオルグ・シュミット3尉の初任務
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・・)

数日前に作戦計画が決定されてから一字一句を記憶できるほど繰り返し読んだ、
計画書を眺めながら、ゲオルグは作戦における自分の分隊の役割を反芻する。

(奇襲攻撃である以上、隠密性が最重要。 通信の使用は極力控えること・・・
 うん、大丈夫。すべて頭に入ってる。あとはやるだけだ・・・)
 
「分隊長、そろそろ時間です」

「え!?」

ハインツに声をかけられ、ゲオルグは慌てて手元の時計を見る。

「あ、はい。 では、皆に話を」

「了解しました。 B分隊、全員集合」

ハインツの呼びかけに従い、残りの分隊員がゲオルグの前に集まってくる。

「時間です。 作戦は事前に説明した通りですが、B分隊の役割は隠密行動が
 要求されますので通信の勝手な使用は厳に禁じます。よろしいですね?」
 
ゲオルグの言葉に分隊員全員が頷く。

「結構です。 では、行きましょう」





艦を出たゲオルグはじめB分隊の面々は、作戦開始時刻を前に彼らの
突入ポイントである洞穴が見える岩陰に待機していた。
洞穴をじっと見つめるゲオルグの隣に、ハインツが膝をつく。

「大丈夫ですか、分隊長」

「はい? 大丈夫ですけど・・・」

「そうですか。 分隊長の表情がいつもより硬く見えたので・・・」

「そうですか? そうですね、初任務ですし緊張しているのかもしれません」

「なるほど」

ハインツは得心がいったというように大きく頷くと、口に笑みを浮かべて
ゲオルグの頭の上にそのごつごつとした手を乗せる。

「大丈夫です。この1カ月、あなたのことを見てきましたが、頭もキレるし
 魔導師としての能力もまずまずだ。ポテンシャルは十分です。
 あと足りないのは経験です。それを補うために私やあいつらがいます」

ハインツがそう言うと、ゲオルグは鋭い目をハインツに向ける。

「この1カ月間、何度も言ってきたことですけど、子供扱いしないでください」

「そうでしたね、すいません。 おっ、作戦開始時刻ですね」

ハインツの言葉にゲオルグは時計に目をやる。

「確かに」

ゲオルグは傍らのハインツから他の分隊員の方に目を移す。

「作戦開始時刻です。 行きますよ」

ゲオルグの言葉に分隊員は頷いて、その場で立ち上がる。
その様子を見ていたゲオルグも立ち上がり突入ポイントの洞穴の方に向き直る。
その傍らで立ち上がったハインツはゲオルグを見下ろしていた。

「行きましょう、分隊長」

ゲオルグはハインツの顔を見上げて頷く。

「B分隊、突入開始!」

ゲオルグの命令と同時に分隊メンバーが岩陰から飛び出し、
洞穴に向かって駆けだす。
全員が洞穴に取りつくと、
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