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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第2話:姉の死
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ゲオルグがシャングリラに配属されて半年ほどが経ったある日。
艦内の訓練室での自主トレを終えて、シャワーで汗を流そうと訓練室を
出ようとしたところで、ゲオルグの前に一人の男が立ちはだかった。

「なんの用ですか? クリーグ士長」

クリーグはゲオルグにとっての初めての実戦で、ハインツに連れられて前線に
突っ込んでいった2人のうちの一人である。
クリーグは、ゲオルグが引き続き分隊長を務めているB分隊でも古参の一人であり、
ミッド式の魔導師が多いB分隊にあって、数少ない近代ベルカ式の魔法を扱う
魔導師だ。

ゲオルグは更に珍しい近代ベルカとミッドの両方を扱えるハイブリッドタイプ
ではあるがミッド式はあまり得意ではなく、どちらかと言えば近代ベルカ式を
多用する傾向にある。
また、2人とも剣型のアームドデバイスを使うという共通点もあり、トレーニングを
共にすることも多い2人ではあった。

「いえ、ちょっと通りかかったら分隊長がトレーニングしてるのが見えたんで
 ちょっと見させてもらってたんですよ」

「そうですか。 それで、何か気付いたことはありましたか?」

ゲオルグがタオルで汗をぬぐいながら尋ねると、クリーグはとんでもないと
いうように自分の顔の前で手をぶんぶんと振る。

「いえいえ、いい勉強になりました」

苦笑しながら言うクリーグの顔をゲオルグはじっと見つめると、
首にかけたタオルで汗でペタっとなった自分の髪をワシャワシャとかき回した。

「まあ、いいでしょう。 今度は・・・」

「ですがっ!」

クリーグは大きな声でゲオルグの言葉を遮った。

「分隊長はまだ13歳です。 あまり無理はなさらない方がいいと思いますよ」

クリーグの言葉が意外だったのか、ゲオルグはその目をパチパチと瞬かせる。

「・・・気をつけるようにします。 次は手合わせしたいですね」

「え? あ、はい。こちらこそよろしくお願いします」

「ええ。 では、僕はシャワーを浴びますのでこれで」

「はい」

ゲオルグはクリーグと別れると、シャワールームに向かって歩を向けた。
その小さな背中を見送りながら、クリーグはここ5カ月の出来事を思い返し
大きく深いため息をついた。

(まだ13歳なのに・・・な)





シャングリラの魔導師隊に多大な損害を与えた挙句失敗に終わった作戦の後、
1週間ほどして事故調査委員会が組織された。
調査委員会では戦闘に参加した全員のデバイスに残された通信記録の確認から
生存している作戦関係者からの事情聴取まで、ありとあらゆる調査が行われた。

その結果、作戦が失敗に終わった最大の原因は事前の敵状調査不足であり、
その責任を負っていた情報部は
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