―VS 光の意志―
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アルカナフォースは持ってすらいなかったし、斎王とデュエルするまでデュエルしたこともなかった。
「アルカナの暗示……確かお前は、俺の分身を『愚者』の暗示だって言ったか」
光の結社から解放されてから斎王との再戦に向けて、アルカナフォースについて研究する際、そのモチーフである大アルカナにも少し触れることとなった。
大アルカナの始まりを示す『愚者』の主要なテーマは「始まり・自然・信頼・一見愚かに見える」……などであり、このカードが表すのは、「予測不能で驚きに満ちた世界」。
何事も硬直せず、どんな事でも起こりうる可能性を、このカードは示している。
運命を占う大アルカナであるにもかかわらず、運命なんて存在していないと否定しているような、矛盾に満ちた暗示のカード。
「知恵の実を食べた人間は、その瞬間より旅人となった……カードが示す旅路を巡り、未来に淡い希望を託して……」
『愚者』のことを暗示する一文を宣言するとともに、デッキから一枚のカードを抜き取ると、斎王に見えるように掲げながらそのカード名を宣言した。
「俺はデッキから《アルカナフォース0−THE FOOL》を墓地に送り、アルカナティック・デスサイスを発動する!」
掲げられたモンスターカードの名前を、斎王は信じられないとばかりに凝視した後に騒ぎ立てた。
「ザ・フールだとッ! 何故貴様がそのカードを持っている!?」
「……お前に貰ったんだよ」
俺が光の結社に入れられた際の天使族デッキ……その一員として入っていたのが、俺が今手に持っているザ・フールのモンスターカード。
『愚者』のことを調べている時、気がついたらデッキの中に紛れ込んでいたカードだが……もしかしたら、エドが言う本来の斎王の差し金かも知れない。
「俺が今ザ・フールを手にしているのも、ライトルーラーを破壊出来たのもお前のおかげだ……つまり、全て運命を変えたのはお前なんだ! 運命に負けたのはお前だ、斎王!」
手に持っていた《アルカナフォース0−THE FOOL》のカードを墓地に送ると、スピード・ウォリアーがバスターランチャーから死神の鎌に装備を入れ替え、背後に死神が佇む斎王へと向かっていった。
「運命を切り裂け、スピード・ウォリアー! ――アルカナティック・デスサイス!」
「ウオオオォォォォッ!」
斎王LP2600→0
……ライトルーラーの攻撃力分、4000の威力を込めた鎌に死神ごと斎王は断ち切られ、長いようで短いデュエルも終わりを告げた。
斎王がその場に倒れ伏すのを見て、俺もそうしたい誘惑に駆られるが、俺にはまだやるべきことがある。
背後からこちらに近づいてくる三沢とエドの方を向くと、三沢は早くも俺の意図を察してくれていた。
「
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