暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
Determination:決意
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言ってはいけませんよ、レン。いかに勧誘を一人で行えない根性なしでも、友達くらいはきっといますよ。友達百人できるかな、です」

「いやいやいや、できないでしょー。だって明らかに、ザコキャラだもん」

目の前で繰り広げられる悪口雑言の数々に、しばらく放心していたシグルドだったが、その端正な顔を思いっきり歪めて憤怒の表情を造り出した。

「きっ………さまぁ…………!!」

シグルドの顔がみるみるうちに赤く染まった。

肩から下がった長いマントをばさりと巻き上げ、剣の柄に手をかける。

「ガキの癖につけあがるな!だいたい、お前らケットシーはオレらシルフのオプションでしかないんだよ!」

激昂するシグルドを見ても、しかしレンとカグラは涼しい顔で受け流している。

それどころか、いまだに会話を続けている。

「ほら見てよカグラ、やっぱり三流だ。こんな安い挑発に引っ掛かる」

「そうですねぇ。カルシウム摂取量が少ないのでしょうか」

「いやぁ、元々ああ言うキャラなんじゃない?なんだっけ、キレキャラって言うの?」

「あぁ。理解しました。なるほど、あれがキレキャラという物ですか。私はてっきり、何でも斬ってしまう侍と言う種族なのかと思っていましたよ」

「そんなわけないじゃーん」

あっはっは、とこちらを放っておいて、朗らかな笑いを発しているレン達を見て、とうとうシグルドの沸点が爆発したようだ。

大声で何かを喚きながら、いきなりブロードソードを抜き放って無防備なレンに突進を仕掛ける。

「ここはシルフ領地、一方的に死ね!!」

それを咄嗟にリーファは止めようとする。

シルフ領内でのシルフプレイヤーは、一切のHP減少がないため、仮にシグルドのブロードソードを真正面から受けたとしても、リーファのHPバーは小揺るぎともしない。

しかし、それはあくまでシルフプレイヤーだったらの話だ。

種族が違うケットシーであるレンは、その領地内ルールは当然適用されない。

だが、突き出したリーファの手を制したのは、黒衣のスプリガンだった。

「え?」

どうして、と言いかけたが、それを言うことはできなかった。キリトは笑みすら浮かべた口を開き、言葉を発した。

「まぁ見てろって」

その声に導かれるように、リーファは再び眼前の光景に眼を戻す。

目の前では、今まさに小柄なレンの体と、シグルドの長身が激突しようとするところだった。

角度的にリーファはレンの背後なので、レンの表情は見えないが、代わりにシグルドの表情は良く見えた。

その表情に浮かんでいるのは、狂喜の笑み。

圧倒的優位な立場から攻撃を仕掛けられると言う喜びにどっぷり全身を浸した時に表層に出る、悪魔の笑み。


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