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SAO─戦士達の物語
GGO編
百十六話 温もりと殺人鬼の瞳に映るモノ
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「…………」
風巻杏奈こと闇風は、現在進行形で廃墟と化したビル群の間を、その名の如く風のような疾さで駆け抜けていた。
数分前に見た、サテライトスキャン。其処に唯一表示されていた名前の主と対峙する為だ。
Ryoko。予選決勝戦で心理戦を持って闇風を退け、今同じフィールドに居る闇風の最大の標的の一人。

先程のスキャンを見た限り、後六、七人ほど人数が足りなかったので恐らくは何処かに隠れているのだろうが、それらの連中を探すよりも今は彼との再戦の優先する事にした。
理由は多々あるが、まぁ、あの男に予選で負けたのが悔しく、リベンジをしなければ収まりがつかないと言うのが、やはり第一。それにもしこのまま月曜日を迎えてしまえば、明日明後日リアルでは学校の同級生でもあるあの男に会った瞬間、間違い無く軽口を叩かれて、屈辱で顔を紅潮させてしまう気がしたからでもある。

『そうよ。このまま明日明後日学校に言ったりしたらなに言われるか……只でさえ彼奴は態度悪いのにそれを余計悪化させる羽目になりかねないじゃない……」
それを防ぐには何としても、この本戦で件の男に一泡吹かせてやらねばなるまい。
そんな事を思いつつ、更なる力を足に込めてダッシュする。と……

「……?」
前方に、何やら突っ立っている一つの人影が見えた。全身を黒っぽいミリタリージャケットに身を包んだ髪の長いその影は真っ直ぐに此方を見据え、手に何かを持っているが視認は出来ない。と、次の瞬間その影が突然、闇風に向かって走り出した。

「っ!」
反射的に、愛銃である軽量短機関銃《キャリコM900A》を正面に向けて構える。

『やれる……!』
走ると言う事は、つまりまだあちらの射程に此方は入って居ないと言う事だろう。正面から突っ込んで不意を打つつもりなのか何か知らないが、だとしたら間合いの測り方が甘すぎる。距離が遠すぎて対応するには余裕十分だ。ならば……!
正面に向かって全力疾走しながら、引き金を絞る、と同時に、銃口から立て続けに先ずるフラッシュが走り、まっすぐに突っ込んで来るその影に殺到する。

「っ!?」
放たれた鉄の塊は、黒い影が取り出した青白い棒状の何かを振りかざした瞬間、火花と共に次々に消える。

『此奴……!』
反射的に脳内を電撃が駆け抜けると同時、気付いた。髪の長さから一瞬女性かと思ったが違う、男だ。名前も間違い無く知っている。何故なら聞いたからだ。あの予選の後……いけすかない同級生のアバターの隣に現れたその人物の正体を、闇風は確かにその同級生から聞いて居た。

そうして、次々に弾丸を切り裂きながら突進してきたその黒い少年は、ついに手に持ったそのエネルギーブレードの射程に闇風を捕えたかと思うと……

「セェ……ラァァァァッ!!!」
稲妻の
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