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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百五十六話 寝返り
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、そういう事ですね」
ルビンスキーが頷いた。
『そうです、フェザーンは地球教の或る意志の元、作られました。初代自治領主、レオポルド・ラープは地球教の命令で動いたのです』
「……」

ようやく俺の仮説は仮説でなくなるわけか……、結構長かったな。これで同盟にも説明できる、いや駄目だな、情報源がルビンスキーでは同盟が俺とルビンスキーが繋がっていたと疑うだろう、それは面白くない。だからと言って情報源を秘匿しては信憑性に乏しい。

『帝国と同盟を相争わせ共倒れさせる。その後、混乱した宇宙を地球教という宗教とフェザーンの財力で支配する……』
「……」
『閣下は驚かれてはおりませんな』

そうか、驚いているという事にしなければならんのだな。
「いや、驚いていますよ。想像はしていましたが本当か、と言う思いが有ります。……証拠は有りますか」
俺の問いかけにルビンスキーが残念そうに首を横に振った。

『いや、私はもっていませんな。オーディンの地球教支部、地球になら有ると思いますが……』
「なるほど、やはりそうなりますか」
地球教の厄介な所だな。計画に変更無し、このまま続行だ。いや、予定を早めよう、この男の裏切りが地球教に知られれば厄介な事になる。出来れば今日、遅くとも明日には実行だ。それによって地球教の陰謀を白日の下に暴き出す。問題は俺の目の前にいるこの男だな。如何するべきか……。

「ルビンスキー前自治領主、貴方の御好意に感謝しますよ」
『喜んでいただけたようで幸いです』
「私は貴方の親切にどう応えれば良いですか、出来れば貴方の希望を叶えたいと思いますが……」
何を望むかな、まあ想像は付くが……。

ルビンスキーが嬉しそうな表情を見せた。
『来たるべき新帝国で閣下の御役に立ちたいと思います。お許しいただけますかな』
「……」
ここまでは予想通りだな。さてどうする、ルビンスキーがようやく地中から首を出した。ここで断ればルビンスキーはまた地下に潜るだろう。手繰り寄せるか……、しかし相手は中々強かだ、危険ではある。

『やはり難しいですか?』
「……そうですね、貴方が帝国に敵対していた事は皆が知っている。今のままでは貴方を受け入れる事に反対する人が多いでしょう」
俺の答えにルビンスキーが頷いた。あまりがっかりした表情は見せていない、想定内だな。

『働きが足りない、そう言う事ですな。今回の一件だけでは不足だと、受け入れる事は出来ないと……』
「そういう事になります、帝国のために何かをしていただく必要が有るでしょう。反対する人達が納得するだけの何かを」
ルビンスキーが二度三度と頷いてから俺に視線を向けた。

『例えば?』
「例えば……、フェザーンで帝国が同盟に戦争を仕掛けるだけの大義を用意するとか」
ルビン
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