エイプリルフール記念 番外編その2
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込んだ宝石の類を換金し、それで一気に返済したのだ。
宝石や貴金属は世界を超えてもその価値はあまり劣化しないから助かったよ。
自由を手に入れた俺達は成人のお祝いもかねて酒場で夕食を取っている。
孤児院に居た頃はあまり縁の無かった所だけど、周りを見渡すと気のいい連中がわいわいと騒いでいる。こう言う雰囲気も結構好きだな。
「それじゃ、成人を祝して」
「乾杯」
「乾杯」
チンッ
俺とソラのジョッキが重なる。
「さて、これからどうするかだけど」
一息に半分まで飲み干すとジョッキを置いて話を切り出す。
「そうね、どうするの?」
王城での賃金の約束された仕事や、住み込みの仕事に就いていない俺達は、今朝孤児院を卒業した後は住むところが無い。
「俺は旅をしながらこの世界を見て回りたいと思っている」
「この世界を?」
「ああ、魔物や魔王が居る世界だとしても、未知なる世界に少しワクワクしている自分がいるよ」
地球は俺が生きていた時代にはすでに未知とは程遠くなってしまっていて、世界はとても狭く感じるようになっていた。
それに比べこの世界はどれだけ広い事か。
「だから冒険者として生活しようと思っている」
「そっか、わかった。私はあなたに付いて行くだけだもの」
ソラも旅に出る事に賛成してくれたようだ。
冒険者とは所謂何でも屋の俗称だ。
魔物退治など、いくら国が頑張っても対応できない事が多いし、挙句に懇願してから討伐までに数週間かかるのはざらだ。
まだ城下町であるアリアハンは良い。
しかし、これが城から離れるにしたがって顕著になる。
衛兵が街に到着したときにはすでに遅いと言う事も珍しくない。
これは国が怠慢なわけではない。被害が多すぎて対応できないのだ。
そう言った状況で、時代に合わせて現れたのが冒険者達だ。
依頼者からお金をもらって解決する人たちの総称。それが冒険者だ。
依頼はさまざまで、一番多いのは商隊の護衛だろうか。
この時代、街から町への輸送は徒歩及び馬が主流だが、当然道中モンスターに襲われる。
しかし、多くの商人は戦う力を持たず、結果として冒険者に依頼する。
結果としてそれを仲介する人たちが現れ、一つの共通認識として冒険者は認められる事になった。
「まあ、詳しい打ち合わせは食後にね。今は料理を楽しもうか」
カランカラン
そう言って目の前の料理に手を掛けた時、酒場の入り口を開け、少し小柄の黒髪の少女が入ってくる。
side ???
私の名前はアルル。
だけど私はその名前が物凄く嫌い。
嫌いな理由がある人を憎む気持ちからきているって言うのも自分の事なが
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