暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第3章 さらば聖剣泥棒コカビエル
第46話 執着
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「じゃあたくさんの女子が学校を休んでるってのは……」

「事実よ。問題はその女子たちに魔力の波動が残っていたということなの」

 今私たちは学園から少し離れた山の中を歩いてます。なんでもここに昼間グレイフィアさんから聞いたキメラがいるらしいのよね。

「魔力の……ですか?」

「ええ。ちょっと気になっていたから影で朱乃と祐斗に動いてもらっていたのよ。そしたら案の定、ね」

「例のキメラを見つけたと」

「ええ」

 なんとも迷惑な話よね。女子生徒が休んでるってことは、そのキメラに襲われたってことなのかな? まだ死者が出ていないだけマシだけど、早々に退治する必用があるわね。

 と、そんなことを思いつつ山を登っていると、何かに気付いたかのように黒姉と白音が猫耳をピコピコと動かし出した。

「いました。確かに気配を感じます」

「でもあまり近付かない方がよさそうにゃ。地表に感じる気配を中心に広範囲に渡って地下にも気配がするにゃ。植物のキメラらしいし……これは根っこかにゃ?」

「それは厄介ね。近づきすぎると危険そうだし……黒歌、根っこから離れた場所で地表に出ている部分が見えそうな場所はあるかしら?」

「ん〜、あっちの方は根っこが少なそうにゃけど……」

「あのちょっとした高台なんてどうですか?」

 進行方向右手にある高台を白音が指さした。確かにあそこならちょっとは周囲が見渡せそうね。

「ではあそこに向かいましょう」

 そうしてやってきた高台から件のキメラを望んでみると……

「あれは植物の魔物……ですか?」

 と、アーシアが疑問の声を上げた。森の中央に少し開けた場所があり、そこには多数の蔦をより合わせてできた茎と、その先端にバラのような巨大の蕾、さらに茎の中央にコアのようなものがある見るからに怪しい植物が鎮座していた。大きさはだいたい6、7メートルってところかな? さらに茎からは無数の蔦がまるで触手のように周囲に伸びている。……っていうかこれってどう見てもビオランテの出来損ないにしか見えないんだけど。まあビオランテもバラとゴジラ、それに人間のキメラだし、似たようなもんだけどさ。

 と、その時、花の蕾が開いて中から……ドラゴンっぽい首が現れた。地面からバラが生えてバラからドラゴンが生える。……なかなかキモいキメラになったわね。

「やはりグレイフィア様のおっしゃっていたのはあれのようですわね」

「ええ、どうやらそのようね」

「? 部長、森の奥から誰か来るにゃ」

「これは……人間が2人ですね」

 黒姉と白音が指差す方を見てみると……

「あれ? なあ火織、あれって剣道部の片瀬と村山じゃねぇか?」

「えぇ、確かにそうね。でもなんだか
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