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FAIRY TAIL 星と影と……(凍結)
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EP.2 ワタルの魔法
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 目の前でワタルが腕を振るうごとに、山賊が次々と倒れているのだ。
 まるで踊るような彼の戦いぶりに、エルザは見入っていた。
 
――私も……あんな風になれるかな?
 
 そうやって見惚れていたせいだろう……後ろに回った山賊に、エルザは気付かなかった。
 
「このっ!」
「キャッ!」
 
 そしてエルザは山賊に捕まり、刃を突き付けられてしまった。
 
「へへへ、おい! 動くんじゃ、な……い……?」
 
「……そりゃこっちのセリフだ、馬鹿野郎」
 
 山賊はエルザを人質にしようと思ったようだが、エルザの後ろにいる山賊のさらに後ろにワタルはすでに回り込んでいた。
 そして次の瞬間には、その山賊は、バチッ、という電撃のような音を立てて吹っ飛び、何が起きたのかも分からないうちに気絶した。
 
「大丈夫か、エルザ?」
「え、……ワ、ワタル!? いつの間に……」
 
 ワタルの手には先ほどまでの鎖鎌ではなく、忍者刀のような短刀があった。
 
「俺の武器の特殊能力、とでも言うのかな。この忍者刀は魔力に応じて身体能力が強化される効果があるんだ。ちなみに鎖鎌には五感を強化する効果がある」
 
 その効果で、山賊が声を出すより早く後ろに回ったという訳だ、とワタルは説明した。
 
「すぐに終わる。じっとしていろ」
「う、うん」
 
 見れば、30人ほどいた山賊は半分以下になっており、ワタルはその中を今のエルザにかろうじて視認できるぐらいのスピードで縦横無尽に駆け、山賊たちを戦闘不能にしていった。
 そして……遂にリーダー格の男を残し、全ての山賊を行動不能にした。
 
「さて……アンタで最後だな」
「ま……待て、降参だ! お、俺たちが悪かった。頼む、許してくれ!」
「……アンタはそう言って何人の人間から奪ってきた? 傷つけてきた? 殺してきた? ……都合が悪くなったからって……」
 
 命乞いを始めた男を、ワタルは怒気を纏って睨みつけ、その次の瞬間……ワタルはリーダー格の男の懐にいた。
 
「“魂威”!!」
「ガッ……!」
 
 男の鳩尾に手を当てて“魂威”を放つと男は吹き飛ぶのではなく、その場で倒れて気を失った。
 
「……命乞いをするのは格好悪いんじゃないの? ……って、もう聞いてないか」
 
 ワタルは忍者等に着いた付着した血を拭き取り、エルザに声を掛けた。
 
「エルザ、もう大丈夫だぞ」
「う、うん……」
「……怖かったか?」
「そ、そんなことない!」
「そうか、なら良かった」
 
 そう言って笑ったワタルは先ほどまでの鋭い雰囲気ではなく、いつも通りのワタルだった。
 そのことに安心したエルザは、山賊たちをどうするのか尋ねた。
 
「とりあえず、近くに大きめ
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