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とある星の力を使いし者
第44話
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麻生と別れてた愛穂は侵入者がいるであろう地下街の出入り口に立っていた。
服装もいつもの緑のジャージではなく耐衝撃用の装甲服を着て、手にはライフルを持っている。
その周りにも自分と同じ装備で身を固めた警備員(アンチスキル)が突入の準備をしている。

(恭介を置いて来て正解じゃん。
 こんな所に連れて来れるわけがないじゃん。)

一人でそう思いながら今は自分の学生寮に戻っている事を祈りつつ、侵入者や今の地下街について情報を整理して作戦を考える。

「まず、敵の能力について考えよう。」

集まった警備員(アンチスキル)の中で隊長である男が話を始める。

「敵は門を強引に突破できることから何らかの能力を持っている可能性が高い。
 目撃証言によると土の塊を巨大な人型に変換して操っているらしい。」

「学園都市の敵対勢力で作られた能力者でしょうか?」

「おそらくな。
 だがこの学園都市でもあれほど巨大な土の塊を操れる能力者はそうはいない。
 何か学園都市とは別の方法で能力者を作っているのか、それとも天然の能力者かのどちらかだろう。」

天然の能力者、またの名を原石と呼ぶ。
学園都市のような人工的な手段に依らず、超能力を発現させた天然の異能者。
偶発的に周囲の環境が『開発』と同じ効果をもたらした場合に発生するとされる。
学園都市の開発によって作られる異能者を人工ダイヤモンドとするならば、天然のダイヤモンドにあたる存在。
警備員(アンチスキル)のほとんどは教師だ。
彼らは自分の持っている知識を使い敵の能力について解析していく。
彼らは魔術についての知識がないのであくまで科学の方面で独自に解析していく。

「敵の目的は?」

「それが分からない。
 敵が統括理事会の人間やこの学園都市に必要な科学者の抹殺などを目的としているのなら、どうして門から強引に突破して注目を集めたり地下街など、という逃げにくい場所を選んだ?」

「自分に注意を引き付けて他のメンバーが暗殺をするとか?」

「逆に強引に突破されたせいで警戒態勢はさらに厳しくなっている。
 この状況で侵入してくるなど見つけてくださいと言わんばかりの行動だ。」

「じゃあ敵は単独犯?」

「そうと考えるのが妥当だろうな。」

目的が分からないとなると敵がどういった行動をとるか分からない。
しかし目的が分からないから動けませんとはいかない。
侵入者がいる地下街には多くの生徒達が残っているからだ。

「最後に地下街の状況について説明する。
 今の地下街には数えきれないほどの学生がいる。
 風紀委員(ジャッジメント)念話能力(テレパス)者に協力をしてもらい、何とか騒ぎを起こさないように学生達には避難してもらっている。
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