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有栖キャロの小学校物語
第19話 魔導師がやって来ました………(中編)
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「ちっ、この場所を仲間に見つかる前に見つけなくちゃいけないのによ………」

狼に指示を出し続ける男。
ジランドは苛々しながらもキャロ達6人を懸命に探していた。

(くそっ、手に入れた情報は回さず止めているがそれにも限度がある。早くしないと他の奴にも気づかれる………)

この焦りと子供だという考えが、捜索もうまくいっていない理由である。
狼達は商店街をただ単に走り回っている。

「くそ………どこにいる!!出てこいガキ共!!」

遂には大きく叫んでしまう始末。
最初の余裕は全くなかった………










「さて先ずは整理するぞ。狼に関しては問題ない。エリオ達の話と実際の狼達を見て分かったが、あの狼達は地球の犬科と変わらないみたいだ」

そう話し始めるエローシュ君。この顔になるとエローシュ君は頼りになります。

「今、俺のバックにはさっきの唐辛子煙幕に加え、犬の嫌いな臭いを出す『ワンちゃんホイホイ』がある。これをうまく使ってあの狼達を一点に固め動けなくする」
「エローシュ君って勉強道具を入れてないのにランドセルが重いから中に何を入れているんだろうと思ってたけど、そう言うのが入ってるんだね」
「ああ、全てたぬき印の商品だぜ!」

たぬき印を作っているのはいったい誰か気になってきました………

「でも誰がその狼を誘導するの………?」
『僕がやる』
「佐助頼めるか………?数はそんなに無いから出来れば一回で全部一ヵ所に集めたい」
『エローシュそれは無理があるわよ!!』
『エローシュ、僕も一緒に………』
「駄目だ、エリオには他にやってもらう事がある。むしろ一番酷かもしれない」
『何………?』
「敵の足止めをしてほしい。狼から気をそらしてくれ」
「エローシュ君!!」
『無茶よ!!いくらエリオだって大人の魔導師相手に実戦なんて………』

私も同じ意見です。いくらなんでも無理があります!

『分かった、任せてエローシュ』
「『エリオ君!?』」

まさかのエリオ君の言葉に通信しながらですが、ルーちゃんと声が重なってしまいました。

「悪い、魔導師を知っている奴にしか頼めない事だったからさ………」
『ううん、むしろ望むところだよ、レイ兄やゼストさんとやってきた事は無駄じゃないって所を見せてあげる』
「何あいつ、凄くかっこいいんだけど………イケメン主人公なんですけど………」
「あんたとは大違いね」

夏穂ちゃんのツッコミに少し落ち込むエローシュ君でしたが、直ぐに顔を上げ、再び真面目な顔になりました。

「ならエリオ、危険だと思うが頼むぞ、足止めだけで良いから」
『分かった』
「ルーちゃんはエリオの援護を」
『役に立てるか分からないけど、やってみるわ』

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