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有栖キャロの小学校物語
第19話 魔導師がやって来ました………(中編)
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エローシュの声を無視して勝手に話を進める。
エローシュも考えるほどの意識は既に無く、相手がどういう人物かを考える余裕は無かった。

「………欲しい。友達を………俺の大事な人達を助けられる力が欲しい………」
『ほぅ、救うとは言わないのか。あくまで助けると………』
「俺の力のなさは身に染みている………力を持ってみんなと対等になっても意味が無いんだ………だったらみんなを助けられる力を………みんなの為になる力を………!!」

最後だけ力強く答えるエローシュ。
そこから反応が無く、声を無くなった。

「おい………」
「いや、驚いてさ。まさか力が欲しいかって聞いて『皆を助けられる力が欲しい』って答えるなんて思わなかったからさ………。本当に驚いた………」

上から声が聞こえ、見上げるとそこにはエローシュと同じくらいの身長で黒髪が肩程まで伸びた少年がエローシュを見つめていた。

「お前は………」
「エクス・フォン・インヴェルト、デバイスさ」

そう言ってニヤリと笑うのであった………
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