―精霊使いの決闘?―
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デュエルに勝てば元に戻るという仮説が否定されてしまった今、もはや俺に光の結社の侵攻は止められる訳がなく、光の結社は続々と入信者を増やしていった。
デュエル・アカデミアの先生方は、オベリスク・ブルー寮を『ホワイト寮』に改名することこそ認めなかったものの、外観は真っ白に塗りたくられているため、かつての青色のオベリスク・ブルー寮の姿はどこにも無かった。
末端を止めることが出来ないのであれば、直接光の結社のトップを叩こうとしたものだが、構成員の多くがガードしてきて全く近づけやしなかった……そのせいで、俺はまだ光の結社の指導者らしい『斎王様』がどのような人物なのかすら解らなかった。
とは言っても別に隠れている訳ではなく、十代や三沢は普通に廊下や授業でそれらしき人物を見ることもあるというので、ただ俺は避けられているだけなのだろう。
三沢に聞いた話だが、万丈目は入信者を増やすための前線での隊長で五階堂はその補佐をしており、明日香は光の結社のナンバー2と言った役割で、『斎王様』のサポートをしているらしい……だからだろう、万丈目の姿はよく見るにも関わらず、明日香の姿をこの頃全く見ないのは。
……かなり話は変わるが、そろそろデュエル・アカデミアの二年生……つまり俺たちには、修学旅行という一大イベントが執り行われることとなっていた。
日本の高校の修学旅行と言えば、京都や奈良、沖縄あたりが定番であるだろうが、このデュエル・アカデミアがデュエルの専門学校である以上、デュエルに関する場所に行かないと修学旅行というイベントの意味がないのだ。
そして、毎日毎日デュエルの歴史は更新されていく為、毎年決まった場所に行くということは不可能であるため、校長先生が修学旅行に相応しい場所を選んだ後、職員会議にかけられて決定するというシステムになっているようだった。
……だが今のこのデュエル・アカデミアには、本来の校長先生である鮫島校長は未だに帰ってきていないため、クロノス臨時校長とナポレオン教頭がツートップであるのだが、クロノス臨時校長は修学旅行先をイタリアにするという意見を挙げ、ナポレオン教頭はイギリスという意見を挙げ、お互いに譲らずに会議は平行線となったとか……しかも、その二国とも、デュエルに関する大きなイベントがないところが悲しいところだ。
その平行線だった会議に割って入って行ったのが、光の結社の連中であった。
彼らは乱入するなり、『修学旅行先は斎王様が占いによって運命を見てくださる』といったことを言い始め、クロノス臨時校長とナポレオン教頭の言い争いが終わるなら、と言った様子の教師陣はこの提案を了承しかけるも、それに異を唱えたのが、偶然居合わせた十代だった。
『だったらデュエルで決めようぜ!』という、いかにも十代らしく、そ
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