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SAO─戦士達の物語
SAO編
四十九話 過ぎゆく夜
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歌得意だろ。音楽もマスターしてるし」
「そ、それはリョウもでしょ!?リョウがやったら……」
「じゃ、俺伴奏やるわ。それで良いだろ?」
「ず、ずるいよ!」
「適材適所だ」
 サチの反論を無視してリョウはヴァイオリンを構える。
途端、なにをするのかを察した子供たちが一斉にサチとリョウの周りに集まり始めた。

「何するの〜?」
「楽器弾くのか〜?」
「おう。この姉ちゃんは歌歌うんだぞ〜?」
「り、リョウ!……わ、わ、わ、」
 期待に満ちたキラキラした眼で見られ、徐々にサチの逃げ場が消えて行く。
何とか助けを求めようとキリトとアスナの方を向くが……

「そういや、前にサチ言ってたな。歌ちょっと得意って」
「へ〜、私も聞いてみたいかも……」
「あうぅ……」
 残念。此方にも味方はいなかった。

「ほらほら、往生際が悪いっつの。早くしろ」
「リョウのせいでしょ……もう……」
 結局、皆の期待の眼差しに耐えきれなくなったサチは、パニックになりつつもメニューを操作し始め、リョウもそれに続く。

スキル《音楽》起動

 表示されたメニューから《演奏》を選び、《演奏形態》を《複数》《duet(デュエット)》を選択。《演奏者》の《vio(ヴァイオリン)》と表示されている位置をクリックし、《voc(ヴォーカル)》の位置に、《sachi》の名前が表示された事を確認すると、曲選択画面に進む。

「何にする?」
「うーんと……じ、じゃあ「三つめ」で……」
「おっ?あいよ。了解」
 やはりというか、得意な曲を選択して来たサチに、リョウはニヤリと笑って準備をする。

 SAOにおける音楽演奏システムは、自身のやる曲を、データベースの中に有る無数の歌や楽曲の中から検索し、再生する事で演奏を行う事が出来るというシステムだ。
演奏法は至極簡単。音ゲ―の感覚で、伴奏と共に視界に右から左へ流れるように表示されるマークに合わせて、管楽器ならば規定の指を抑え、空気の量を調節する。打楽器ならそこを叩く。弦楽器ならば規定の位置の弦を抑え、弓をその弦に当てる等すればよい。ヴォーカルの場合は、正しいか、それに近い音程を口から出すだけで、自動的にエコー等のカラオケに近い補正がかかり、上手く歌っているように聞こえるようになる。(ちなみに、なんだかんだでどれも難易度はそれなりに高い)

 熟練度が上がると、同じ曲でも使用できる楽器が増えたり、出来る曲が増えたりするのだが……それ以上に面白いのは、熟練度500から自らの力で演奏する曲を「作曲」出来るようになる事だ。
音を一つ一つ並べ、自分だけの曲を……これ自体はそれほど珍しい事でも無いのだが、更に面白いのは演奏時、自分の演奏する曲には何時どんな時でも「アレンジ」を加えて良いのである。

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