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SAO─戦士達の物語
SAO編
四十話 二人
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いつ等最近俺呼び出すのが趣味になってねぇか?」
 思わず、そう独り言をつぶやく。
エギルの店へは元から向かうつもりではあったのだが……

────
アルゲード エギルの店。
 何時も通りの店に入り、何時も通り二階へ上が……ろうとした所で、不意にエギルからリョウへと声を掛けられた。

「事情は知ってんのか?」
「あぁ?何が?」
「いや……まぁいい早く行ってやれ」
「?」
 リョウは推察する。
事情……とは呼び出しの原因に関係が有るのだろうか?正直、いきなり呼び出されて来ただけなので勘でしか予想出来てはいない。


「ういっす」
 階段を上がり、部屋の中へと入る。中には何時も通り。揺り椅子に座ったキリトと、その肘掛けに座ったアスナがいた。

「リョウ」
「悪かったな。また呼び出して」
 キリトはばつの悪そうな顔をして苦笑する。
アスナも緊張こそしてはいない物の、少し決まりが悪そうに見えた。

「いやいや、別に良いさ。唯ここ最近まともに出来て無かった狩りを、またしても早めに切り上げる事になっただけだ」
 ソファに腰掛けつつもリョウは持ち前の意地悪精神を少々発動させて、そう嫌味を混ぜた愚痴をやる。ちなみに、元からもうやめるつもりではあったので、ちょっぴり嘘入りだ。と、キリトは頬を掻きながらまた一言、「すまん」とこぼした。

「まぁ、愚痴は後でたっぷり聴かせてやる……それで?今回は何だ?」
 前半の時点では「うへぇ」とか言いながら苦虫を噛み潰したような顔をしていたキリトだったものの、後半の一文を言われた途端に顔を引き締める。
同時に、アスナも顔を引き締め、二人とも立ち上がって背筋をぴんと伸ばす。
思わず釣られてリョウも立ち上がろうとしたが、キリトに制された。

 そして……

「えーと、コホン……報告する事が有ります」
「…………」
 何故か敬語になりつつ切り出したキリトに、リョウは少し茶々を入れたくなった物の、そこは押さえる。
この話が予想通りの内容なら、黙って聞いてやるが吉だと、彼の勘が告げていたから。

「俺とアスナは……」
 一言一言噛みしめるように、或いはその意味を確かめるように、キリトは言葉を紡ぐ。

「この度」
 そしてそれは。

「結婚する事となりました」
 ついに、リョウの前で現実の物となった。


「そうか……」
 半年以上前に、この二人の決闘を見てから、ずっと心のどこかで不確定な勘として予想していた事。
やがてアスナの側ではそれが夢となり、それを彼は出来る限りサポートして来た。

「うん……」
 それがいったい誰の為だったのかは、リョウ自身今でもよく分からない。
義弟に幸せと言う何かを掴んでほしかったのか、悪夢を見てうなされていた少女をど
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