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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第三十四話 月下の格闘
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                   第三十四話 月下の格闘
 オルファンは太平洋の海の底深くにある。ここに彼等はいた。
「先程のシカゴでの戦いに関してですが」
 伊佐未翠が夫である研作に報告していた。夫に対してというにはあまりにも事務的な声であった。
「ゲッター線を中心とした膨大なエネルギーが確認されております」
「それのオルファンへの影響は」
 問う研作の声もまた事務的なものであった。無機質ですらある。
「浮上に影響が出ました。浮上を再開しました」
「そうか」
 研作はそれを聞いて頷いた。
「それは何よりだ」
「二週間後に海面に姿を現わすものと思われます」
「思ったより早かったか。だがそれはそれでいい」
 研作は理知的な声でそう述べた。
「オーガニック=エナジーに惹かれ生ける者をいとおしむオルファン」
「はい」
「それが姿を現わすと動じに起こる人類の新たな段階への覚醒・・・・・・。それが来ようとしているのだな」
「カント=ケストナーの論文ですね」
 翠は静かにそう述べた。
「そうだな。だが認識を改めるべきか」
「といいますと」
「あ、いや」
 だが彼は妻に対して言葉を濁した。
「私個人の考えだ。忘れてくれ」
「はい」
「だがこれでまた動く。人類がな」
 不思議なことにそれは破滅を願う言葉ではなかった。まるで何かを期待するような言葉であった。

 ロンド=ベルが日本に向かっているその頃ラストガーディアンの基地では木原マサキが沖と美久を前にして何かを語っていた。
「この世界を征するのは連邦政府か鉄甲龍だ」
 マサキは邪気を含んだ声でそう二人に語っていた。
「俺はそう見ていた」
「そのうえで動いたのか」
「そうだ」
 マサキは沖にそう答えた。
「だからこそ俺は双方に俺のクローンを送り込んだのだ。どちらに転んでもいいようにな」
「御前自身を」
「俺自身が世界をかけてそれぞれ戦う」
 その声の邪悪さが増したように感じられた。
「それ以上のゲームがあるか」
「・・・・・・・・・」
 沖も美久も答えない。だが沖は答えるかわりに腕を懐に入れようとした。それを見たマサキがまた言った。
「ほう、またか」
「何っ!?」
「また俺を殺すのだな、沖よ」
「クッ・・・・・・」
 沖はそう言われて動きを止めてしまった。
「あの時と同じように」
「・・・・・・・・・」
 沖は懐から手を離した。そして項垂れたように顔を俯けさせた。
「沖さん、どういうことですか」
「この男は俺が鉄甲龍を抜けた時に俺を殺したのだ」
 答えない彼の替わりにマサキがそう答えた。
「己が野心の為にな」
「えっ・・・・・・」
 美久はそれを聞いて絶句した。
「沖さん、それは本当なんですか!?貴方が・・・・
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