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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第三十四話 月下の格闘
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・・」
「・・・・・・・・・」
 沖は答えない。それが何よりの返答であった。
 マサキはそれを見てやはり笑っていた。そして美久にも言った。
「御前もまた同じ」
「えっ・・・・・・」
「御前は次元連結システムそのものなのだ」
「そんな・・・・・・」
「ゼオライマーの為に作られたアンドロイド、それが御前なのだ」
「木原マサキ」
 沖はようやく顔を上げ彼の名を呼んだ。
「御前は何処まで他の者を踏み躙れば気が済むのだ」
「踏み躙る!?当然だ」
 マサキは邪な笑みをたたえてそれに答えた。
「俺にとって他の者なぞ塵も同然。御前は塵を踏んでも何とも思わないだろう」
「それでは今まで御前が倒した者も塵だったのか」
「そうだ」
 マサキは言い切った。
「あの者達は全て俺が作り出した。余興としてな」
「余興として・・・・・・」
「互いに憎み、愛するようにした。だがその想いが決して適うことのないようにな」
「何て酷い・・・・・・」
「酷い!?あの者達は俺の駒に過ぎん。駒は遊ぶ為にあるものだ」
 そう語るマサキの目は冷徹なだけでなく邪悪な赤い光も宿していた。
「将棋やチェスの駒と同じだ」
「では私達もそうなのか」
「そうだ」
 マサキはまた言い切った。
「この世の全てのものが俺の駒だ。俺がこの世界を滅ぼす為のな」
「一つ聞きたい」
 沖はまた問うた。
「何だ?」
「何故貴様はこの世界を滅ぼそうとする。ゼーレとの契約の為か」
「そういう老いぼれ共も集まりもあったな」
 マサキはそううそぶいた。
「確かに俺は一時期あの老いぼれ共に従うふりをしていた。碇と同じようにな」
 その言葉と顔には忠誠なぞといったものは一欠片も存在していなかった。碇ゲンドウとはまた違った意味で彼はゼーレを欺いていたのであろうか。
「人類補完計画か。戯れ言を」
 彼はゼーレの計画も一笑に伏した。
「あのようなもので人類を生き長らえさせてどうする。素直に滅べばいいのだ」
「それが御前の本心か」
「そうだ」
 マサキは答えた。
「その為にゼオライマーを作ったのだ。世界を滅ぼす為のな」
「・・・・・・・・・」
「わかったなら行かせろ。また奴等が来る」
「奴等」
「八卦だ。それも三人な。御苦労なことだ」
 冷たい笑いを浮かべたまま部屋を出ようとする。だがそこで彼を沖と美久が呼び止めた。
「待て」
「待って、マサト君」
「何だ」
 彼はここでどういうわけかマサトという名に反応した。顔を二人に向き直した。
「それはマサト君の考えなの?」
「どうなのだ、マサキ」
「秋津マサトは俺自身だ」
 それがマサキの答えであった。
「ならば答えはわかろう。また言おうか」
「いや、いい」 
 沖はそれを聞いて首を横に振った。

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