第九話 蛇の力その五
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「だがそれでもだ」
「幻にも攻撃力はあるんだな」
「その実体以外にも」
「私の力だ」
その自身のことをだ。オロチはさらに述べていく。
「実体に捉われないのだ」
「つまり。実体を倒さない限り」
「僕達は幻からも攻撃を受け続けるということか」
「さて、今度はどうする」
オロチは楽しげに二人に問う。
「それを見せてもらおう」
「まあこちらにしてもな」
響鬼が応える。
「手のうちは隠さないさ」
「駆け引きはしないというのか」
「いや、駆け引きになる前に」
それよりもだ。さらにだというのだ。
「あんたを倒させてもらうさ」
「だからか」
「ああ、だからな」
こう言ってだった。響鬼は宗朗に言った。
「悪いが今度もな」
「音楽ですね」
「俺はこれで戦うからな」
それでだとだ。実際に太鼓のバチを両手に出してだった。
そのうえでだ。宗朗に対して言った。
「これで叩けば幻なら消えるさ」
「消してそうしてですね」
「ああ、最後に残るのは実体だけだ」
「そしてその実体を」
「二人で倒すからな」
「わかりました。それじゃあ」
響鬼の言葉に応えそうしてだった。
響鬼は跳びだ。早速だ。
オロチの頭のうちの一つをそのバチで叩く。するとだ。
それだけでオロチの頭が消える。やはり幻だった。
そしてだ。宗朗もまた。
響鬼に続いて彼も跳びオロチの頭を斬る。するとだ。
それでまた頭が消えた。二人がオロチの首達の執拗な攻撃をかわしつつ。
そのうえで頭を一つ、また一つと打っていく。それをしてだ。
遂には全て消してしまった。残るは一つだった。そしてその最後の首は。
二人を見据えてだ。こう言うのだった。
「面白い。うって出るとはな」
「攻撃は最大の防御じゃないのか?」
「確かにな」
その通りだとだ。オロチ自身も認める。
「流石だ。私が見ようと思っただけはある」
「それでか」
「そうだ。それでだ」
こう話してだった。オロチは。
今度はだ。ただその首で襲い掛かる。そうしてだ。
二人を噛み潰さんとする。だがここでだった。
二人はそれぞれだ。渾身の力を込める。そのうえで。
「ではな」
「はい、最後の最後で」
「勝負を決めよう」
「これで」
こう言い合いだ。そのうえでだった。
二人は自分に向かって来る巨大な首に向かい跳んだ。そのうえで
まず宗朗が上から下に大上段で斬った。そこに。
響鬼もだ。オロチの頭にバチでこれでもかと打ち立てる。幾度も幾度も。
そうしてだった。遂にだった。
オロチは動きを止めて。ゆっくりと崩れ落ちた。その頃には。
他の首も倒れていた。八つの首全てがだ。戦士達は勝ったのだ。
しかしここでだ。オロチ、敗れたそのスサノオ
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