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金木犀の許嫁
第五話 引っ越しの時その五

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「用意したから」
「そうだったの」
「だから」
「何かあっても?」
「うん、大丈夫」
「鍵があるから」
「それと抜け道もあるから」 
 佐京はこちらもと話した。
「鍵をかけて」
「そのうちに逃げるのね」
「畳の裏とか掛け軸の向こうとか隠し扉とか」
「そういうのあるの」
「どのお部屋にも」
「忍者屋敷だから?」
「そういうのあるから」
「それで逃げられるのね」
「そう。逃げるか隠れるのが一番」
 佐京は夜空に話した。
「自分だけ逃げるなら」
「自分だけなら」
「そう、ただ一緒に誰かいたら」
 佐京はこの場合のことも話した。
「一緒に隠れるか逃げる」
「そうするの」
「戦うのは最後の最後」
 あくまでというのだ。
「そうするから」
「忍者だから」
「忍者は戦わない」
「実際はそうなのね」
「漫画やゲームと違って」
 そうしてというのだ。
「基本戦わない」
「隠れるか逃げるのね」
「刀も手裏剣も弱い」
「武器としては」
「忍者刀も」
 忍者の代名詞の一つであるこの武器もというのだ、忍者の行動に合わせて色々と工夫が施されている刀である。
「そうだし」
「あれもよね」
「知ってるんだ」
「短くて」
「そう、そして切れ味も」
 こちらもというのだ。
「普通の日本刀と比べて」
「よくにのよね」
「形が違うから」
 それでというのだ。
「今一つ」
「そうよね」
「実際に何かを切ったことはないけれど」
「知ってるのね」
「聞いてるから、それに」
「それに?」
「刀抜いたら終わり」
 こうも言うのだった。
「忍者は」
「戦うことになるから」
「戦いは逃げきれなかったか隠れきれなかった時のこと」
「忍者はどっちかだから」
「それが出来なかったら負け」
 そうだというのだ。
「その時点で」
「だからなのね」
「刀を抜いたら終わり、その前に手裏剣だけれど」
 もう一つの忍者の代名詞であるこの武器もというのだ、佐京は夜空に対してそちらのことも話すのだった。
「こちらも武器としては」
「弱いわよね」
「歯が短くてしかも鋭くない」
 手裏剣はというのだ。
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