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第五話 神剣その十六

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「中にはただ殺したい壊したい」
「そう思うだけで、ですか」
「動く人もいるわ」
「そんな人もおられるんですね」
「快楽殺人者とかやな」
 空汰が嵐の話に実感を感じない護刃に話した。
「ほんまそんなんもおるで」
「人を殺すことが楽しいんですか」
「趣味とか生きがいになっててな」
「殺人が趣味なんですね」
「そんな奴もおってな」
 それでというのだ。
「殺したい暴れたいな」
「それだけで動く人もですか」
「おるんや、もう人間を滅ぼしたいならな」
 地の龍の者達がそう考えているならというのだ、空汰はそれが彼等の目的であることを知りつつ言うのだった。
「一番手っ取り速いのはな」
「その力を私達に用いずにね」
「戦わんでな」 
 嵐に応えて述べた。
「もうわい等なんか無視してや」
「暴れ回ればいいわね」
「結界なんて張らんでな」
「それでいいわね」
「天の龍も地の龍も力の強さは核兵器レベルや」
 そこまでの力があるというのだ。
「核兵器があちこちで炸裂したらな」
「人間は簡単に滅びますね」
「そや、しかしそんな動きはせん」
 空汰は護刃に話した。
「わい等を全員倒そうとしてるわ」
「そうね、あの人にしてもそんな風だったわ」
 嵐は空汰と共に会った遊人のことを思い出して述べた。
「殺したり壊したり」
「そんな気配はなかったやろ」
「悪い印象は受けなかったわ」
「この前たまたまお好み焼き屋で相席になったけどな」
 空汰はこのことも話した。
「ええ人やったで」
「そうなのね」
「敵味方に分かれてるのが残念位にな」
「そうした人で」
「ほんま悪いもんはな」
 遊人にはというのだ。
「ないで」
「そうなのね」
「あの、ですが地の龍の人達の目的は」
 護刃はそれでもと話した。
「地球を救うことで」
「その為に人間を滅ぼすことね」
「そうですよね」 
 嵐に応えて述べた。
「やっぱり」
「そのことは間違いないわ」
「だとすると」
「色々と矛盾を感じるわね」
「そうですよね」
「若しかしたら」
 嵐はその目を鋭くさせて考える顔になって述べた。
「地の龍にも丁様の様に束ねる人がいるそうだし」
「ああ、何でもおひいさんの妹さんらしいな」
「その人の考えがね」
「強く出てるか」
「そうかも知れないわね」
 空汰に応えつつ話した。
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