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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第五十五話 アムリッツァ星域会戦(前)
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叩かねばな」
どうすればいい…敵の艦隊編成は一個艦隊一万二千から一万三千隻だった筈…。
「キルヒアイス、我々の艦隊の数は?」
「補給艦、輸送艦は民間人輸送の為にチャンディーガルに置いて来ましたから…一万五千五百隻です」
「この星系に他に可住惑星はあったか?」
「はい、もう一つあります。第四惑星カイタル。五万人程が居住している筈です」
「よし…現在位置からの距離は?時間で頼む」
「はい」
キルヒアイスは俺の質問に答えながら嫌な顔一つせず制御卓を操作している。ありがたい事だ…必ず生きてオーディンに戻ろう、なあキルヒアイス…。
「現在位置からですと…アムリッツァを挟んで…我々の艦隊針路から見てカイタルは三時方向、約七時間の距離です」
「マルガオからカイタルの時間的距離は?」
「マルガオは現在星系公転面のイゼルローン方向に位置していますから…アムリッツァを挟んで二時方向、近いですね、マルガオからカイタルまで約四時間です」
「よし…ありがとうキルヒアイス。策を具申してくる」
これでどうにか一個艦隊は潰せるだろう。潰せない時は…。


 「偽電を流しカイタルに向かうと見せかける、天頂方向から見て時計回りにアムリッツァを迂回してマルガオ側から敵艦隊を攻撃する…か。イゼルローン回廊側を迂回する訳だが、後続の二個艦隊はどうする?あまり時間的余裕はないが」
伯の疑問は尤もだった。確かに現在のまま推移すると、理想的に敵の先鋒を撃破したとしても十五時間程しか余裕はない。此方にも損害は出るから、とてもじゃないが二個艦隊をいっぺんに相手するなど至難の技だ。
「我々が敵先鋒を撃破した後戦場を去れば、敵は警戒して進撃速度を緩めるか、索敵の為に分散するかする筈です。たとえ分散しなくても進撃速度は緩めるでしょうから、少なくとも時間は稼げます」
「成程、あくまでも時間稼ぎという訳だな。参謀長、私は少佐の策を是とするが、どうかな?」
「そうですね。どちらにせよ時間は稼がねばなりませんし、一個艦隊でも敵戦力を減らせるのなら、やる価値はあると思います」
「決定だ。参謀長、作戦の準備にかかりたまえ」
「はっ。作戦準の下ごしらえは少佐にまかせる。存分にやりたまえ」
「ありがとうございます」





12月11日07:00
アムリッツァ星系、第四惑星カイタル付近、自由惑星同盟軍、第十一艦隊、旗艦メガイラ、
アンソニー・ホイヘンス


 「シャトルによる観測の結果ですが、確かにこの惑星には民間人が居住しているようですが…帝国軍の施設らしきものもごく小規模な物しかありませんし、脱出を準備している様な兆候もありません」
「敵艦隊到着後に脱出準備をするのだろう。敵はチャンディーガルにいるのだったな。だとすれば三時方向から現れる筈だ。シャトルに陸
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