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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第8章 冥府の門編
第39話 悲壮
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らえないか…」
その言葉に、その場にいる全員が目を見開く。それはアレンも同様であったが、誰よりも早くその驚きを鎮める。
「そうか…やはり…知っていたのか…」
アレンは低くそう呟くと、ヒノエとミノトはどこか納得したように表情を戻す。
だが、ウェンディは信じられないと言った様子で口を開く。
「な、なにを言ってるの!グランディーネ!!」
他のメンバーも、ウェンディの言葉と同じ気持ちであった。
「我々ドラゴンは…アレンの大切なものをすべて奪った…」
その言葉に、皆は更なる衝撃を受ける。
「両親も、姉も、妹も、友も…そして…愛する女も…」
バイスロギアが、苦しそうに言葉を発する。その言葉を聞き、アレンは俯き、歯をギリッと噛みしめる。握った拳が震える。
その様子を見て、皆は掛ける言葉もなくただただ立ち尽くす。
「あなたは…我々ドラゴンを憎んでいる…そうですね?」
グランディーネの言葉を皮切りに、アレンは一本の太刀を換装して、ゆっくりと歩みを進める。俯いているせいか、その表情は見えない。そんな風にして歩みを進めるアレンに、フェアリーテイルのメンバーは何とか声を絞り出し、アレンを止めようと声を掛ける。
「お、おい…アレン…」
「な、なにを…」
「や、やめて…」
エルザ、ミラ、カグラが、目尻に涙を浮かべながら、ゆっくりとアレンに近づく。頭では分かっている。今のアレンに声を掛けてはいけないことを。先の話が事実であれば、私たちが干渉していい問題ではない。だが…だがここでもしアレンがあのドラゴン4体の命を刈り取れば、ウェンディ達との確執が生まれるのは必然だ。そんなことになって欲しくはない…。
ただその一心でアレンへと歩みを進めていたが、それはある2人の人物によって制止される。
「これ以上は…」
「進ませません…」
それは、ヒノエとミノトであった。その2人を見て、3人は理解する。そうだと…、この2人はアレンの過去を知っているのだと…。そこで、3人は歩みを止めてしまう。他の皆も、どうしたらいいのかわからず、絶望に似た表情を浮かべる。
アレンがゆっくりと、着実にグランディーネたちの元へと近づく。
…そして、今度はアレンとグランディーネたちの間に割って入るようにして4人の人影が見える。
バイスロギアの前にスティングが…スキアドラムの前にローグが…メタリカーナの前にガジルが…そして。
「や、やめて…ください…アレンさん…」
グランディーネの前にウェンディが立ちふさがる。なぜアレンがグランディーネ達へと向かって歩いているのか…そして、アレンの過去の一端を知ったウェンディ達は、苦しそうにアレンへと相対するようにして立ちふさがる。
ウェンディの言葉に、アレンはゆっくりと足取りを止める。
「ウェンディ…そこをどきなさい…」
「どかない!!!」
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