暁 〜小説投稿サイト〜
不可能男との約束
そして日々はいとも簡単に壊れ
[3/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いだろう。
弱点といえば、剣神はその内燃排気を己の身体の強化に全てを注いでいるので、それ以外には使えないという事だろう。
剣には成れるが、剣以外には成れない存在といえばいいだろうか。
故に遠距離からの攻撃には弱いのだが、その分近接では正しく剣の神に相応しい存在と聞く。
とは言っても噂のみで見た事はないのだが。

「おお。我は果敢に挑みにかかったぞ、二代よ。だが、そこの二人はチキンでな。我は突っ込んだのに、この二人は外野で賭けなどしておったからな」

「ああ……確かに全員が全員ダっちゃんの敗北にかけていたから、皆でダっちゃんに「負・け・ろ! はい! 負・け・ろ!」コールを連続で言ってたよねぇ……それで負けないんだからダっちゃんは本当に空気が読めないよねぇ」

直ぐ傍でお皿が飛び交うがそこは無視させてもらうで御座る。
成程………つまり、この三人は剣神の強さを知っているという事になる。
だけど……

「確か、武蔵の副長……」

「ああ。別に聞いた通りの事を言ってもいいと思うよ? 本人もそれは否定していないし、否定できる事実もないからね、今のところ」

Jud.と気を遣わせてしまったで御座ろうかと思うが、気を遣わせたのであれば乗らなければ失礼だと思い、意を決して今まで聞いたアリアダスト教導院の副長の風聞を言わせてもらうことにした。

「その……副長とは、名ばかりのただの……人間だと」

最後の言葉はつい修正してしまったと思う。
本当ならば最後の方はかなり汚いことを言われていたのである。それを口に出すことは憚れるというのはただの同情か、そう信じたくないだけだと思う。
見たことも、話したこともない相手に同情をするのは失礼だとは思うし、本当に信じられる相手なのかも解らないのだが。
そして拙者の言に対して、酒井様はただ苦笑した。

「まぁ、そう思われても仕方ないだろうねぇ。副長というには戦闘力を示さないし、実技でも何もしないどころかさぼる。そんなのを見たら誰も認めようとはしないだろうねぇ……現に武蔵内でもあれでいいのかという意見が出てるくらいだし」

「ならば何故」

そんな人物を副長に……という意見は自分の立場から言えるものではないと思ったので口を閉ざした。
だが、ばればれだったようで周りから苦笑が響き、思わず体を縮めてしまう。

「選んだのは俺ではないからねぇ……ただ、一つだけ言えることはあるよ」

「それは……」

「Jud.選んだ三年、特に同じクラスの奴らはそんな馬鹿に何の不平も言ってないってことだよ」

「―――」

「面白いでしょ?」

そう問われても困る。
言われた内容をどう考えればいいという考えだけが、頭の中をぐるぐると回るだけで答えが出せない。
頭が固いと自分でも常
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ