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不可能男との約束
そして日々はいとも簡単に壊れ
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ですか」

その名を聞くと何故か冷静になれた。
熱田という姓を知らないというわけではない。戦闘系の人間だったら誰でも知っている姓だ。
そう思っていたら父が問いかけた。

「おい、そういえば酒井。その副長は呼んでこなかったのかよ。熱田っていうから期待していたのによー!」

「おお、一応聞いてみたんだぞ。そしたら何て言ったと思う?」

知らん知らんと父と榊原様が手振り付きで答える。
拙者も雰囲気を呼んで首を横に振る。
その返答に満足したかのように笑い、そのまま告げる。

「『てめぇが本気で来るっていうなら相手にしてやらんでもないぜ爺』って言っといてくれって」

「……」

「……」

「……」

沈黙した。
一瞬、気まずいような、怒っているような、別にどうでもいいような雰囲気が漂って、そして
はという音が連続で繋がる笑いが起きた。
松平四天王の三人がいきなり笑い出したので。その事に二代は驚いて三人を見るが、三人はそれを気にしなかった。

「おいおいおい! その台詞! 我、思いっきり昔を思い出してしまったぞ!!」

「俺もだよダっちゃん。熱田の個性は生きているだろ?」

「懐かしいですね……確か、本多君がいきなり『暇だから熱田倒すか!』とか脳に蛆が湧いたんじゃないかという発言をして熱田神社に喧嘩を売りに行ったんですよね……いや、あの時は本当に若かったですねぇ……むこうも喧嘩を売りに来たこちらに『ああ!? 三下どもがこの俺様に勝てるとでも思ってんのか!? この金魚の糞共が!』とか叫んできたので同点でしたが」

「馬鹿野郎! あれは我の勝利だ。我の必殺と・き・め・き☆ホンダリアンパンチ! で判定勝ちだったではないか!」

「ああ……ダっちゃんのあの無駄というくらいの脳震盪を起こすための顎狙いの攻撃にはそんな気色悪いネーミングがついてたの?」

「まぁ、あっちはあっちで面白いくらい本多君の人中を狙ってきたから、確かに外道レベルという判定では同点だったと思いますが」

「あれは我でも喰らいすぎて思わずSHOW・天! とか叫んだなぁ……」

成程……過去というのは美化されるので御座るなと二代は初めて哲学というのを理解できた気がした。
というか最初の疑問を問うのを忘れていたので、忘れぬ内に問わねばと思い、慌てて問うた。

「皆様は……剣神・熱田に挑みにかかったので御座るか?」

剣神。
そう剣神である。これはよくある眉唾物ではないし、神肖動画(アニメ)でもない。
さっきも言ったように熱田という姓は戦闘系の人間には有名な存在である。戦闘系としては剣を取ればそれこそ最強クラスの存在である。
勿論、熱田以外にも鹿島などという軍神もいるのだが、ただ戦うというだけならばこれ程強い存在はいな
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