第千九百九十二話 けれど地味
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第千九百九十二話 けれど地味
松方さんは苦労人です、その結果優れた能力と人格を得ましたが。
「僕は目立たないですからね」
「総理で元老ですが」
日本は松方さんにこう返しました。
「それでもですか」
「そこにいてもいなかった様に書かれたりです」
実際にそうしたことがありました。
「存在感がです」
「ないですか」
「そうなんですよね」
残念そうに言います。
「これが」
「そうですか」
「はい、ですから」
それでというのです。
「僕としましては」
「目立たないとですか」
「言うしかありません、伊藤公と比べますと」
「あの人は目立ちますね」
確かにです。
「ですがそれでも」
「いえ、本当にですよ」
謙遜ではなくご自身で思っていることです、松方さんはそこにいても本当に言及されないことがありました。
第千九百九十二話 完
2022・6・3
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