第七十八話 6000年前の怨念
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
平和に暮らしていたが、異能を操る謎の民族が現れ、古代フリース人は居住地を追われてしまった。
異能を操る謎の民族は、古代フリース人を住んでいた土地から追い出すとその地に新たな王国を興した。言わずもがなトリステイン王国の事だ。
その後、古代フリース人はどうなったかというと、各地に散らばった古代フリース人はスライムを使役し、トリステイン王国の魔法に対抗した。
だが、散らばった古代フリース人は連携を全く取ろうとせず、結果的に各個撃破でトリスタニアの地下深く追いやられてしまった。
追い詰められた古代フリース人は、最後の手段を取った。
使役していたスライムと同化し人間を止めてしまったのだ。
それに同化と一言で表現しても、一人や二人と同化したわけではない。
残った数千人の古代フリース人が、男も女も子供も老人も民族丸々スライムと同化して、とてつもなく巨大なスライムと化した。
それから数千年、トリステイン王国と地下の巨大スライムとの戦いは人知れず続き、多くの犠牲を出しながら何とか巨大スライムを封印・調伏する事に成功した。
そして、地下の奥深くに神殿を建て、二度と人が寄り付かないように迷宮を作り、好奇心で地下神殿に足を踏み入れないように記録も削除した。
封印された巨大スライムを目覚めさせたのは、怨敵であるトリステイン王国開祖の血を引くアンリエッタとルイズが地下神殿まで迷い込んだ事が原因だった。
……
スライムとなった古代フリース人の6000年前の怨念を聞き、アニエスはなんとも言えない感情に支配された。
かつて復讐に燃えたアニエスにとって、彼ら古代フリース人は部分的には同調するし同情すべき点はある。だが、だからと言って殺されてやる義理は無い。
「そんな話、聞いたことありませんし、そんな何千年前の事で殺される謂れは無い」
アニエスはキッパリ拒絶した。
『オマエタチノコトハ、ドウデモイイ』
『イマコソ、ウラミヲハラスゾ!』
古代フリース人は、スライムの身体から触手の様なモノを出し、鞭の様にアニエスの盾になったアンリエッタに振るった。
「アンリエッタ様!」
アニエスはアンリエッタを後ろから抱くと、そのままバックステップで触手を避ける。
間一髪、触手はアンリエッタの紫色の前髪を溶かすだけで済んだ。
「ねえ、アニエス……」
「何ですかアンリエッタ様」
アンリエッタは心ここにあらず的な声色でアニエスに問うた。
「ご先祖様の犯した罪を、今を生きる私が負わなければならないの?」
「そんな事はありません。そんな事言い出したらキリが無いじゃないですか」
「でも、あの人達あんなに私の事を憎んでいるわ」
憎しみ、とい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ