第七十八話 6000年前の怨念
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
王都トリスタニア地下を探索中に発見された謎の人工物に、有識者から強い関心が寄せられた。
「この柱の造りは、約2000年前のロタリンギア美術によく似ている……」
「かの芸術王クロヴィス2世の時代の物も多く見受けられます」
参考にと司令室に集められた考古学者達は、ウォーター・ビットから送られてきた地下神殿の画像を見て、考古学的発見の数々に興奮冷めやらぬ様子だった。
マクシミリアンは、考古学には興味があったが、今聞きたいのはそんな事ではない。
「君達を呼んだのは、この巨大スライムについて聞きたかったんだ。王都の地下にこんな化け物が居るなんて聞いた事がないぞ」
マクシミリアンは、地下の空洞を這い上がる巨大スライムの描かれた画像を手の甲で叩いた。
「これは失礼いたしました。左様でございますな……」
「古代フリース人の記述に、似たような物を見た覚えがございます」
「古代フリース人?」
マクシミリアンは鸚鵡返しに言った
「古代フリース人とは、トリステイン王国の開祖様がトリステイン王国を興す前に、この土地に住んでいた原住民でございます」
「ほう」
「もっともその古代フリース人は、開祖様に土地を追われ、何処かに姿を消したと言われております」
「……地下の人工物は古代フリース人の神殿だと?」
「いえ、それですと計算に合いません。先ほども言いましたが、地下の神殿の造りは、我が王国が建国して千年以上経った後の建造物でございます」
「……ふうん、興味深いな」
マクシミリアンは唸った。
考古学には興味があったから、巨大スライムを何とかしたら、大々的な研究を始めようと思った。
「だが、まずはこの巨大スライムを何とかしないとな。コマンド隊はどうなっている」
マクシミリアンは近くに居た参謀Aにコマンド隊の状況を聞いた。
「はっ! 現在のコマンド隊はスライムと交戦中ですが、コマンド隊の火器がスライムに通用せず効果的な攻撃方法が見つからないとの事でございます」
「場違いな工芸品が通じないっていうのか?」
「御意にございます。報告では銃弾は全てスライムの体内で止まるか貫通するだけで、スライム本体にはダメージも無いそうでございます」
「相性が悪いって事かまずいな……地下神殿と巨大スライムの出自はこの際置いておいて、魔法衛士のマンティコア隊を差し向けろ。コマンド隊にはマンティコア隊の到着まで後退させつつ遅延戦術を指示、マンティコア隊到着後はバックアップに回らせろ」
「畏まりました」
マクシミリアンの命令に参謀Aが応えた。
スライムといえば、某国民的RPGのせいで、ザコキャラと思われがちだが、実はかなり手強いモンス
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ